最終更新 2012/10/04 12:00
1993年に発売された「Leica DISTO Original」にはじまるレーザー距離計の歴史。この20年間で精度や使いやすさを高め、長い距離が測れるもの、チルトセンサーやBluetooth機能を搭載したものなど、さまざまな長所を持つ製品が登場している。
3D Distoは、これまでに培われた技術をベースに生まれた、測定したデータをそのまま活用できるという新しいコンセプトを持つ製品だ。
この3D Distoの開発がはじまったのは、かれこれ5~6年前。スマートフォンも世に登場していない頃だ。その頃からこだわったのが、タッチパネルによる操作だという。
そんなふうにコンセプトもインターフェースも新機軸という製品を実現させた背景には、クラフトマンシップを軸に、常に技術的チャレンジを行うというような社風があるそうだ。「”カイゼン“だと既存の商品との競争になるが、”イノベーション“を行えば、まったく新たな市場を開拓できる」と既存の製品の“改善“ではなく、新しいコンセプトの製品を打ち出す“イノベーション“を目指す姿勢が、実測からデータ化までを一元的に管理できるレーザー距離計を生み出したという。
さて、このかしこいレーザー距離計「3D Disto」は、どのように活用できるだろうか。
まず、これを使うと実測の手間が大幅に短縮できる。だから個人経営の小規模な設計事務所や工務店には、強い味方になるだろう。
1つの事務所で所有しなくとも、共同購入するという方法もありそうだ。
古い建物は床が傾いていたり天井がたわんでいたりする。そんな場合にも3D Distoは便利だ。
3D Distoでの測定では、最初に基準点を決め、そこからの距離や角度を表示する。だから床や天井などのゆがみや傾きの角度、基準平面からのずれもわかりやすい。
実測を手作業で行う場合にわかりにくいのが壁の厚みや天井ふところの高さなど、隣接する空間同士の相関関係だ。そんなときに役立つのが「リロケーション」機能。3ヶ所以上の基準点を取っておけば、3D Distoを別の場所に持っていっても、その3点を基準に再開すれば、共通の座標で測定を続けられるので、壁厚や天井ふところのサイズも出すことができる。
3D Distoがあれば、既存の建物の形を簡単に、手早くデータに変えられる。建物の改修や改築の際には実測や図面作成の手間を省き、すぐに計画に入ることができる。さらにあくまで我々ぽむ企画の妄想なのだが、たとえばプロジェクター機能が発展すれば改修前の建物に改修後のイメージを投影する、なんてことも可能かもしれない。
3D Distoは実際の建物と図面、あるいは既存と更新後の空間のギャップを埋める、心強い味方になってくれそうだ。
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