最終更新 2012/06/15 12:00
毎日の通勤やスポーツ、お買い物……一人あたり1日平均数千歩といわれる歩行。しかし人々の足裏から地面に伝えられたエネルギーは特に何かに活用されることもなく大地に吸収されるばかり。この行為から生まれるエネルギーを集めて再利用し、何かに役立てることはできないだろうか……。日々無駄になっている歩行のエネルギーを電気に変えることができる床があると聞き、我々ぽむ企画は兵庫県伊丹市にある東リ(株)本社にやってきた。
文・絵 ぽむ企画
東リ(株)は1919年(大正8)に東洋リノリユーム株式会社として伊丹市に創業。以来この場所を拠点とし、国産初のリノリユームを皮切りに、さまざまな建材を世に送り出してきた。そんな伝統ある東リ(株)が新たに開発したのが、発電できる床材「イーテリアフロア」だ。
このLEDを光らせる電気は、床材の中に仕込まれた「圧電素子」が生み出しているという。圧電素子はセラミック製。100円玉くらいの大きさのものが、50cm角の床材1枚あたり数十個敷き詰められているそうだ。足から伝わる振動が圧電素子を変形させると、それが元に戻ろうとするときに電気が起きるとのこと。結晶が変形し、表面が帯電して電圧が生じるのだ。
なかなか理解できずいろいろと質問をしていたところ「スピーカーの反対をイメージするとわかりやすいですよ」と明快な説明をいただいた。スピーカーは電気を流し、振動させて音を鳴らすもの。逆に圧電素子は振動を電気に変えるもの。なるほど……わかったような、わからないような……。
圧電素子自体は昔からあり、メジャーなところでは電子ライターの発火機構にも使われているそうだ。ちなみにその原理を発電できる床へと応用した製品「発電床®」を開発したのは(株)音力発電という会社。(株)音力発電の研究により発電量が向上し、床材への応用が可能になった。2009年から(株)東リと(株)音力発電との共同開発がはじまり、床材と発電の機構がセットになった製品「イーテリアフロア」が誕生、ということだ。
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