川勝真一／一般社団法人建築センターCoAK (Centre for Co-Architecture Kyoto)｜京都府京都市｜京都に日本初の建築センターをつくる（２/２）

プレイベント第一弾：ARCHIZINES FAIR 2024 / 4月26日（金）〜 5月12日（日）^*1

CoAKのプレイベント第一弾のイベント。きっかけは、2012年にロンドンのAAスクールで行われた「ARCHIZINES」という展覧会の巡回展を大阪と東京（「東京アートブックフェア」内の展示として実施）で開催したことだった。その際に作り手の関心や、ローカルな建築事情がZINEには色濃く出ていることに気がつき、以来いつか建築のZINEに関する展示の機会を伺っていた。
「CoAKでは物販もやりたいと思っているので、ZINEも扱えるのではと考えました。旅先でその場所にしかない建築の本に出会うことがあり、そういう楽しみのある場所ができたらいいなと考えています。今回のフェアはそのリサーチも兼ね、誰がどんなものを作っているのか知りたいという思いもありました。」と川勝さん。
初日はオープン前から学生が並び、部数限定の本が目当てで近県や東京から訪れた人も多く、GWやKYOTOGRAPHIE 2024の開催もあって、想定以上の約700人程度の来場者があった。建築だけでなく、本が好きな方や印刷関係の方の来場も多く、こうした建築からはみ出るところの領域との接点をがつくれた点も含め、最初の企画としては上々の結果になった。
https://archizinesfair2024.tumblr.com/
Photo: Horii Hirotsugu

プレイベント第二弾：「湯浅良介「TEMPO++」/ 6月7日（木）〜 23日（日）^*2

6月にはプレイベントとして建築家の湯浅良介氏のプロジェクト展を実施した。実はRADとして活動していた2010年に、湯浅氏の修了制作を東京建築コレクションで見たことをきっかけに、rep.05｜YUASA RYOSUKE 「nothing and something」という展覧会を開催していた。その縁で今回の企画が実現した。「昨年のSDレビューで出展していた「TEMPO」という作品をベースに、plateaubooksでのドローイング作品と、CoAKの窓に描いてもらったドローイングを合わせて「TEMPO++」です。この場所でやるなら一つのプロジェクトになるべく絞った展示が良いのではということと、関西で湯浅さんの話を聞いたりする機会がこれまでなかったので、良い機会だと思いました。」オープニングトークは、CoAKから徒歩すぐにある京都府立大学の森田一弥研究室との共同で大学内の教室で開催された。
本オープンの準備は進めつつ、次の展開については「近所に京都府立大学や京都工芸繊維大学などの建築系の学科を持った大学も多いので、設計課題の発表や成果物を公開するような企画も考えたいです。学生さんが一生懸命取り組んだ課題の成果が、学内で閉じてしまうのは勿体無いですよね。CoAKであれば通りがかりの人にも見てもらえますし、地域の人にも何か考えるきっかけになるかもしれない。今後は大学との連携・連動もできれば嬉しいです。」とのこと。また「建築についての難しい議論だけではなく、どんな風に建築や空間を楽しめるのか、どう建築をコンテンツ化していけるかをデザインしていきたいと思っています。これまでRADで活動している時に、子ども向けのワークショップ、建築ツアーや展示などいろいろ経験させてもらったので、この場所ならではのアレンジをしつつ、実施していきたいです。」こちらも待ち遠しい。
https://www.centrecoak.org/tempo.html
Photo: Horii Hirotsugu