敷地は「郊外」にあり、「郊外」としてあり続けている地域に広がる風景は、決して特別な表情を持っていない。それはどこにでもあり、またどこでもない風景といってよい。この地域の建築はたとえ特異な表情をもっていたとしても経済主義の波に掠め取られてしまう。私たちができることは、そこにわずかな指標のようなものを刻むこと以外にはないであろう。
クライアントは精密機器を扱う会社であるため鉄筋コンクリート造とした。コンクリートはソリッドで、かつ彫塑的な素材である。ソリッドな素材を、深く、あるいは浅く刻み込むことで、無表情な「郊外」の風景にわずかな陰翳を落としたいと考えた。
国道に面する東南方向のファサードには配管材料を用いてチューブ状の水平ストライプを刻み付けた。この大小あるチューブ状の水平ストライプは、電子の通路となる配線などを製作しているこの会社を象徴させたものである。
■建築概要
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川 2-3-9
建築主:株式会社ワコー電子
用 途:事務所
建築設計:(株)戸室太一建築設計室
担当/戸室太一、池下晴香
協力/佐藤大樹
構造設計:(株)ティ・アンド・エイ アソシエイツ
担当/山内 哲理、内山 陽子
設備設計:(有)EOS plus
担当/高橋 翔、内田 修一、野口 亮太郎
施 工 :(株)大原工務所
担当/大原 彰、菊池 聡
構造・規模:RC 造・地上 3 階建て
敷地面積:71.40 ㎡
建築面積:47.356 ㎡
延床面積:132.992 ㎡
最高高さ:9,300 ㎜
写真撮影:日吉翔太

戸室 太一
■経歴
- 1961
- 東京生まれ
- 1985
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業
- 1985-1989
- 早川邦彦建築研究室
- 1989-1994
- レンゾ・ピアノ・ビルディングワークショップ・ジャパン
- 1995-1996
- 文化庁派遣芸術家在外研修制度にて、アルヴァロ・シザ・アルキテットで
研修 - 1996-1998
- アルヴァロ・シザ・アルキテット
- 1998-1999
- 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク
- 1999-2006
- 谷口建築設計研究所
- 2006
- 戸室太一建築設計室設立
- 2008-2011
- 法政大学デザイン工学部兼任講師
- 2016-2025
- 東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師
- 2020-
- 工学院大学建築学部非常勤講師
ICS カレッジオブアーツ非常勤講師 - 2026-
- 武蔵野美術大学建築学科非常勤講師
日本大学芸術学部大学院非常勤講師 - 2013
- 日本建築家協会優秀建築選 2013
- 2014
- 第8回キッズデザイン賞 奨励賞
- 2017
- 第10回キッズデザイン賞 入賞
- 2018
- 日本建築家協会優秀建築選 2018
- 2019
- JCD 日本空間デザイン賞
第13回キッズデザイン賞 入賞
日本建築家協会優秀建築選 2019
グッドデザイン賞2019 入賞 - 2020
- 第9回江戸川区景観まちづくり賞 まちなみ建築部門
■受賞歴
株式会社戸室太一建築設計室
Website:https://tt-arch.net
東京都武蔵野市西久保 2-3-16-3F MN ビル
Tel:0422-26-6614















