「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として日本遺産に認定された尾道市にあって、市民の活動拠点となり、かつ観光客にも開かれた新名所となるような「海に寄り添う市庁舎」を計画した。瀬戸内海に面する稀有な立地条件を生かし、海側に傾けた建物形状とすることで、視界から海以外のものを消し去り、まるで海の上にいるかのような感覚を生み出している。外装では、尾道の主要産業の一つ、造船業とコラボレーションし、地元の造船会社で製作した厚さ12㎜の鉄板に撓(ぎょう)鉄技術を施すことで、三次元曲面による柔らかで艶やかな表情を与えた。資材を海から運搬する計画とすることで大きさの制約をなくし、幅18mの外装鋼板や約13m角の鋼板庇など、建築的スケールを超えた外装表現を可能としている。造船業では“あたりまえ”とされた技術を建築に持ち込むことで、既存産業の枠組みを超えた建築デザインの可能性を追求した。
■建築概要
建築主 : 尾道市
主用途 : 市庁舎
所在地 : 広島県尾道市久保1-15-1
敷地面積 : 7,748.74㎡
規模 : 延べ14,496.54(B1,+5F)
最高高さ : GL+23.35m
工期 : 2017.10-2020.8
写真撮影:
ToLoLo Studio:photo2,3,6,9、
SATOH PHOTO:photo1,4,5,7,8,12
日建設計:photo10,11

石井 太志(Ishii Futoshi)
■経歴
- 1965
- 岡山県倉敷市生まれ
- 1988
- 神戸大学工学部建築学科 卒業
- 1990
- 神戸大学大学院工学研究科修士課程 修了
- 2008
- 日建設計

金子 公亮(Kaneko Noriaki)
■経歴
- 1982
- 静岡県富士市生まれ
- 2005
- 東京都立大学工学部建築学科 卒業
- 2007
- 首都大学東京(現東京都立大学)大学院工学研究科 修了
- 2007
- 日建設計

藤田 俊洋(Fujita Toshihiro)
■経歴
- 1990
- 大阪府藤井寺市生まれ
- 2013
- 大阪市立大学(現大阪公立大学)生活科学部居住環境学科 卒業
- 2015
- 大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院生活科学研究科 修了
- 2015
- 日建設計















