千葉県のニュータウンの一角。今後四周に住宅が建てられることが予想されるので、庭に多くの樹木を配し自然とのつながりを維持しつつ、周囲との緩やかな境界を作る。開口部を外壁側に多く取らず、ミルフィーユ状に床と床の隙間を光の取り入れ口とし、通風と視線の抜けをつくる。そして外壁にポリカーボネート板を帯状に覆うことで採光を確保しつつ、外からの視線を遮るようにした。
プランは田の字プランをベースとして4象限の床をほどいて広げ、床を垂直方向にずらし、6層の床の段差を創出した。田の字を「ほどき、巻き上げる」ことで、立体的なワンルームを構築した。内部は垂直方向に伸びる柱と水平方向に伸びる梁が特徴的な真壁造りである。1階は玄関から連続する土間があり、近所の子どもたちが玄関から庭へ、家をぐるりと走り回って遊ぶそうだ。家族の繋がりが床を媒介として一体となりつつ、のびのびとした広がりを感じさせる住宅とした。
■建築概要
所在地:千葉県
主要用途:専用住宅
設計:高池葉子建築設計事務所
構造 浜田英明建築構造設計
外構デザイン フォルク
照明デザイン DAISUKI LIGHT
不動産 創造系不動産
施工:21世紀工務店
施工期間:2020年9月〜2021年3月
階数:地上2階
主体構造:木造
建築面積:57.93㎡
延床面積:86.57㎡
写真撮影:中村絵
■経歴
高池葉子
- 1982
- 千葉県生まれ
- 2008
- 慶應義塾大学大学院 修了
- 2008-2015
- 伊東豊雄建築設計事務所 勤務
- 2015
- 高池葉子建築設計事務所 設立
- 2017
- 慶應義塾大学 非常勤講師
- 2017-2021
- 工学院大学 非常勤講師
- 2020-2021
- 関東学院大学 非常勤講師
- 2021-
- 日本大学 非常勤講師・
明治大学 非常勤講師
2011年の東日本大震災の後、伊東豊雄氏と集いの場「みんなの家」の建築に奔走。その過程で、人と人の結びつきが強く残っている地域の力と、その力を発揮する建築のあり方に目覚める。
■受賞
- 2015
- 神戸ビエンナーレ2015 しつらいアート部門 入賞
- 2018
- SDレビュー2018 奨励賞
- 2020
- 第46回東京建築賞「目黒八雲の長屋」
- 2022
- グッドデザイン賞2022「コムレジ赤羽」
高池葉子建築設計事務所
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