埼玉県和光市の駅からほど近い集合住宅の1階テナント区画に位置する、パン屋の内装計画である。
既存建築物は、1階をコンクリート造、2・3階をメゾネット型の木造とした、特徴のある構造形式をもつ。また、店舗の面する通りは、誰でも自由に通り抜けることができる緑豊かな「小路」として、地域にとっても魅力的な環境を形成している。
この「小路」の日々の往来が、より心地よいものになるような、商いの場所を生み出したいと考えた。
店舗の売り場スペースは、テナント正面がガラス張りであることを利用し、もうひとつの「ファサード」を店舗内へ新たに作り出した。既存のサッシ枠から引き出された補助線を頼りに垂木を組み、特徴ある構造をマテリアルとして内装の仕上げに置き換えた。
新たに作り出された「ファサード」は、家具的なスケールの屋台的な佇まいによって、誰もが親しみやすさを感じる「まちのパン屋」としての身近な雰囲気を醸し出している。
■建築概要
名称:まつたかパン
所在地:埼玉県和光市
設計:須谷悠希
施工:萬美堂
延床面積:50.45㎡
竣工年月:2023年6月
写真:本吉孝光
■経歴
須谷 悠希/Yuki Sutani
- 1990
- 島根県生まれ
- 2013
- 岡山理科大学工学部建築学科卒業
- 2015
- 岡山理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了
- 2015-2016
- アラキ+ササキアーキテクツ勤務
- 2017
- StA | St Architecture主宰
instagram
www.instagram.com/sta_yukisutani/