定年を機に関東から移住されたご夫婦二人暮らしの住宅。
温暖な気候と災害が少ないという点から岡⼭県南西部の瀬戸内市牛窓町に決められた。
敷地は瀬戸内海にほど近い、町の分譲地。
ご夫婦は海外生活が長く、その土地土地で購入された家具や雑貨、絵画をたくさん持たれている。
余生を過ごす住まいの計画であるため、毎日が楽しく過ごせること(刺激がある)、たくさんの家具や絵画を飾れることを重点に置き設計を行った。
また、コストバランスも考え、できる限りシンプルな形にし、コンパクトながらも大きなボリュームを持つ空間となるよう検討を重ねた。
絵画を飾るために大きな壁面を斜めに設け、その先に三角形のスペースを付け足した。
切妻屋根の天井と斜め壁、三角形平面のスペースにより、多面体のような空間となり、床面積では約十六帖程度のスペースが広々と感じられる。
開口部の位置や取り入れ方を工夫することで、空間に入ってくる光の変化を一日中楽しむことができる。
真っ白な空間であるが、家具や絵画を飾ることで生命力あふれる住宅となった。
■建築概要
建築設計:若原一貴(若原アトリエ) +
藤原昌彦(バウムスタイルアーキテクト)
構造設計:長坂健太郎、馬上友弘(長坂設計工舎)
設計期間:2016年6月~2018年5月
施工期間:2018年3月~2018年10月
延べ床面積:84.16㎡(25.45坪)
写真:中村 絵 一部バウムスタイルアーキテクト(藤原)
■経歴
若原一貴/一級建築士
- 1971
- 東京生まれ。
- 1994
- 日本大学芸術学部卒業。同年、株式会社 横河設計工房へ入社。「余白の家」及び「環境科学国際センター」を担当。
- 2000
- 株式会社 若原アトリエを設立。
- 2003
- 『あがり屋敷の家』にて第7回WOOD ONE実施作品コンペ入選
- 2008
- 『四季の森デンタルクリニック』にて日本木材青壮年団体連合会主催第11回 木材活用コンクール部門賞(第一部門)受賞。
- 2009
- 『小日向の仕事場』にて第30回 INAXデザインコンテスト入賞。
- 2012
- 『南沢の小住宅』で『hope&homeアワード』を受賞。
- 2017
- 『浅草の住宅』で第34回『住まいのリフォームコンクール優秀賞』を受賞
- 2019-
- 日本大学芸術学部准教授
- 2022-
- 日本大学芸術学部教授
- 2023
- 日本建築学会教育賞受賞
・目黒区美術館ボランティア建築班
・一般社団法人 東京建築アクセスポイント 理事
・エコハウス研究会 理事
■経歴
藤原昌彦
- 1975
- 岡山県生まれ
- 2006
- 岡山県立倉敷天城高等学校 卒業
- 2008
- 香川職業訓練短期大学校建築課程 卒業
- 2012
- バウムスタイルアーキテクト設立
- 2014
- 岡山市景観街づくり賞
- 「小さな森のお菓子工房のある家」
- 2016
- パッシブデザインコンペ
- 「二つ庭の家」 横内賞
- 2019
- タニタハウジングウェア主催
「屋根のある建築コンテスト」 - 「牛窓の家」 最優秀賞
- 「南区の離れ」 優秀賞
- 2021
- 岡山市景観まちづくり賞「南区の離れ」
株式会社バウムスタイルアーキテクト https://www.baum-style.com
〒709-1213 岡山県岡山市南区彦崎2987-2
Tel:086-362-4389
Email:info@baum-style.com