雪に強く、自然の中にちょこんと置きたくなるような、三角形のちいさな小屋をつくりました。テント以上、住宅未満。6畳程度の居間と、ロフトの寝床。電気もガスも水道もなく、モバイルバッテリーで照明を点けて、湧き水を汲み、石油ストーブの上で調理をする、最小限のオフグリッド空間です。
流通材の規格である４ｍの材を使ってつくれるサイズの、つくりやすく汎用性のある三角形の小屋を、まずはサウナとして設計しました。今回の小屋はそれを外形はそのまま、週末住居として中身をカスタムしたものです。三角形のフレームを地組して、７フレームを土台の上に並べて、屋根の合板で横方向を固めるだけで構造が成立するので、素人のDIYでも1日で建方が完了できます。
小さな入り口を入ると、大人が立てるぎりぎりの高さの空間の奥に、三角形の吹き抜け空間があります。正面の大きい台形のFIXガラスと上部の三角窓からは、奥の自然風景をたっぷりと取り込み、静かな大自然の中に一人だけで過ごす素晴らしく贅沢な時間を過ごすことができます。
■建築概要
所在地：長野県北安曇郡白馬村
延床面積：8.9㎡
施主：MIGRANT
設計・監理：MIGRANT
施工：MIGRANT＋有志によるセルフビルド
竣工：2023年12月
PHOTO: TSUGURI YOSHIDA
■主要な建材
内外装：杉胴縁材
一部内装：珪藻土
内装・床：杉破風板
屋根：ポリカ波板の上に杉野地板仕上げ
■経歴
小穴 真弓
- 1982
- 東京都生まれ
- 2006
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業
- 2008
- 早稲田大学大学院建築学専攻修士課程修了
- 2008-09
- 日建設計
- 2011-18
- 手塚建築研究所
- 2018-
- MIGRANT共同主宰
■経歴
寺田 和彦
- 1984
- 奈良県生まれ
- 2007
- 京都大学工学部建築学科卒業
- 2009
- 京都大学大学院建築学専攻修士課程修了
- 2009-18
- 手塚建築研究所
- 2018-
- MIGRANT共同主宰
MIGRANT／小穴真弓＋寺田和彦
一級建築士事務所 長野県知事登録
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