ベトナム・ハノイにおけるフリーアドレスオフィスのリノベーション計画である。220㎡という限られたオフィススペースに、自然の中にいるような変化を取り入れ、より自由でおおらかな働き方を実現したい。そのため、人の行き来する長手方向に直行して立体的なリズムをつくり出す5種類の異なる仕上げ材のストライプを持ち込んだ。この27本のストライプリボンのなかに緑のレイヤーも織り込むことで人々の活動と緑が重なり合う場となった。
オフィス全体に広がるストライプのリボンは立ち上がり、なめらかに高さを変える。ベーシックな床、デスク、壁であるとともに、ベンチ、収納、プランターボックス、ブース間仕切り等に変化していく。
高低差が生み出すランドスケープの中に生まれる働く空間。オンラインでは得られないひとつの建築空間に人が集うことで相乗効果とセレンディピティをもたらす、毎日が躍動するオフィスである。
建築概要
<建築データ>
所在地: 56 Luu Huu Phuoc, Hanoi, Vietnam
用途:オフィス
竣工年: 2022年4月
規模:延床面積220m²、敷地面積220m²、
地上6階建ての5階部分
構造:RC造
主要内装仕上げ:HPL、塗装、長尺シート
施主: Thien Phuc Technologies
建主: 同上
<設計>
設計社: Takashi Niwa Architects
設計者: 丹羽隆志
設計チーム:髙橋京平, Camille Labelle
<施工>
インテリア施工:分離発注
什器製作: Jager
<写真撮影>
Trieu Chien
<主要建材>
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | トイレ | タイル(Vietceramics) |
内装・床 | 執務エリア | フロアカーペット(東リ) |
内装・壁 | 執務エリア | HPL(AICA) |
内装・壁 | 会議室 | 黒板塗装 (Dulux) |
内装・什器 | 執務エリア | HPL(AICA) |
内装・天井 | 執務エリア | 塗装 (Dulux) |
■経歴
丹羽 隆志
- 1979
- 石川県生まれ
- 1999
- 国立石川工業高等専門学校 卒業
- 2001
- 東京都立大学 卒業
- 2003
- 東京都立大学大学院(深尾精一研究室) 修了
- 2005
- 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク
- 2010
- Vo Trong Nghia Architects
(VTNアーキテクツ)パートナー
VTNハノイオフィスを設立、同代表 - 2015
- アジア建築家評議会アルカシア賞
ビルディング・オブ・ザ・イヤー - 2017
- ワールド・アーキテクチャー・フェスティバル(WAF)審査員
- 2018
- Takashi Niwa Architects を設立(ベトナム・ハノイ)
日越大学(Vietnam Japan University)
客員研究員 - 2020
- 丹羽隆志アーキテクツ・ジャパン一級建築士事務所を設立(東京・南町田)
サイゴン川歩道橋国際デザインコンペティション 最優秀賞 - 2022
- ハノイ・チャンフンダオ橋国際デザインコンペティション 最優秀賞