岩崎家の旧庭園に沿って建つ長屋の改修計画。明治時代から変わらない庭園の景色が眼前に広がる、築100年の長屋である。
都心では貴重な窓から見える緑を、部屋のどこにいても享受できるような住宅にしたいと考えた。単に窓を広げることは現実的ではなく、目の前の環境を部屋中に充満させる設えを目指した。
水回りや寝室などの個室は3階にまとめ、間仕切り壁を取払い大きなワンルームとした。
造作家具やフローリングには薄く白い塗料を塗り、緑以外の色を脱色させ、一方で緑が映えるように補色関係にある赤を少しだけ入れたカラーで躯体を塗装し、光の当たり方、角度により白にも薄赤にもベージュにも変化する、揺らぎのある空間をつくった。
さらに庭園側の床、キッチンやレンジフードは艶のある素材を選択し、反射により緑を奥まで引き込んだ。
繰り返される増築により、自然から切り離された生活を開放し、都市と自然の間にある環境が活かされた住まいとなった。
■建築概要
所在地：東京都江東区
家族構成：夫(20代)会社員 妻(20代)会社員
用途地域：商業地域
建物規模：地上3階建て
主要構造：コンクリート造+木造
建物竣工年 or 築年数：昭和３年
敷地面積：49.27㎡
建築面積：48.61㎡
床面積：97.71㎡（各階）1階9.09㎡、2階44.67㎡
3階38.30㎡、棟屋5.65㎡
延床面積：97.13㎡
設計：note architects
施工：有限会社岩木屋木工
設計期間：2021年2月～2021年4月 3ヶ月
工事期間：2021年5月～2021年9月 5ヶ月
竣工：2021年
■経歴
鎌松 亮
- 1985
- 東京都生まれ
- 2008
- 慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業
- 2010
- 慶應義塾大学大学院 修士課程修了
- 2010-2016
- (株)石本建築事務所
- 2016
- note architects 設立
note architects
https://note-arch.com/
〒135-0022
東京都江東区三好3-7-9
