千葉県船橋市における、子どもの医療と福祉の両面をサポートする複合型クリニックの計画である。医療と福祉の垣根を越えて、子育ての様々な課題に応えたい、という事業者の想いのもと、小児科診療所、 調剤薬局、 病児保育事業、医療的ケア児の受け入れ事業(児童発達支援・放課後等デイサービス)を一つの建物の中に集約し、それぞれの機能が重なり合い全体が緩やかに繋がる、一体的な場をつくることを試みた。
現在敷地周辺には、郊外の大らかな風景が広がる一方で、2026年に付近に新駅が建設される予定で、周囲も宅地化されていく計画が描かれている。
角度を振ったボリュームと分節した屋根の重なりが将来の街並みに親和性を持つとともに、大きな下屋により向かいの農地との連続を作り、半屋外空間にアクティビティが溢れ出すことで、大らかな環境の質を未来に引き継ぐことを意図している。
これから地域の子育てを支える中心となっていくこの建物が、機能を超えて豊かに使われ、その活動景が活き活きとした街並みを導く中心にもなっていくことを目指した、布石としての建築の計画である。
■建築概要
物件名:船橋青い空こどもクリニック・米ケ崎どんぐり薬局
所在地:千葉県船橋市
用途:診療所・薬局・児童福祉施設
構造・規模:木造 地上2階建て
敷地面積:1185.64㎡
建築面積:322.39㎡
延床面積:492.74㎡
設計:JAMZA 長谷川駿+猪又直己、
小林千尋+KEIYO DESIGN
構造設計:馬場貴志構造設計事務所
設備設計:あとりえ・あい、S・E設計
企画・施工:京葉エステート株式会社
撮影:楠瀬友将
■経歴
長谷川 駿
- 1990
- 東京都生まれ
- 2013
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業
- 2015
- 早稲田大学大学院修士課程修了
- 2015-2020
- 成瀬・猪熊建築設計事務所
- 2019-
- JAMZA 共同代表
猪又 直己
- 1990
- 東京都生まれ
- 2013
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業
- 2015
- 早稲田大学大学院修士課程修了
- 2015-2019
- Eureka
- 2019-
- JAMZA 共同代表
小林 千尋
- 1989
- 宮城県生まれ
- 2013
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業
- 2015
- 早稲田大学大学院修士課程修了
- 2015-2016
- 伊藤暁建築設計事務所
- 2017-
- HIPPOPOTAMUS
- 2020-
- KEIYO DESIGN 設計パートナー
- (写真:前澤秀登)
JAMZA一級建築士事務所
https://www.jamza.jp/
京葉エステート株式会社
https://www.kestate.co.jp/