敷地の前には細い路地があり、下町ならではのヒューマンスケールの街並みがひろがっていました。設計にあたっては、この細い路地と、接道する私道との交点にささやかな緑地を設け、街に対してひらいた庭をつくりたいと考えました。この庭は、子供たちや近隣の人たちにもひらかれ、交流の場となるよう設えています。
一方ではプライバシーが守られた木塀に囲われたテラスや、また2階にも眺めを感じられるようなバルコニーを設けることで、家族が思い思いの場所で街とつながりながら時間を過ごせるようにしています。
室内は小さくとも縦方向につながる吹抜けを設けたことで、1階のリビングが光に満たされ、家族が一体的につながるようにしています。随所の造作も丁寧に作り込みました。
わずか20坪程の小さな敷地ですが、自己完結的な閉じた住まいではなく、街の環境を住まいの一部とするようなつくりとすることで、解放感とひろがりを獲得した都市住宅です。
■建築概要
所在地:東京都葛飾区
用途:専用住宅
用途地域:準工業地域
構造規模:木造在来工法・地上2階建て
敷地面積:66.88㎡(20.23坪)
建築面積:38.91㎡(11.77坪)
延べ床面積:70.01㎡(21.17坪)
設計監理:リオタデザイン|関本竜太・矢嶋宏紀
造園計画:小林賢二
施工:大和工務店|初谷仁
写真:新澤一平
■経歴
関本 竜太(Ryota Sekimoto)
- 1971
- 埼玉県生まれ
- 1994
- 日本大学 理工学部建築学科 卒業
- 1994
- エーディーネットワーク建築研究所 入所
- 2000
- フィンランド・ヘルシンキ工科大学
(現アールト大学)留学 - 2002
- リオタデザイン設立
- 2008-2020
- 日本大学 理工学部 非常勤講師
株式会社リオタデザイン
https://www.riotadesign.com/
〒353-0004 埼玉県志木市本町6-21-40