50年の歴史を持つ、幼稚園の建替え計画
ゆたか幼稚園は自由な遊びを通じ、子ども自身が疑問や学びを確立する「自発的な教育」を目指している。そこで幼稚園をその語源である「kindergarten=子供の庭」として捉え直し、3つの手法で、敷地全体を遊び場群としてつくり上げた。
・山並み壁、木々や草花、遊具や家具などの密度をデザインすることで、遊び方が異なる「動の庭/静の庭/屋根のある庭」をつくる。
・山並み構造壁で管理する大人の視線と、子どもの視点によって開閉する自由な遊び場群を提供する。
・大天井で、その光沢で屋外内の風景や子供たちの動きを取り込み、屋外環境と共に移ろう室内をつくる。
これによって、様々な表情を見せる遊び場群が屋内外に連続的に拡がる。子どもたちは幼児期に特に成長する身体感覚を研ぎ澄ませ、自分たちの体力、速度、グループの人数に最適な場所を検索し、思い思いの遊びを展開する。 この環境は、身体で心地よい居場所を検索する人間の動物的本能を呼び覚まし、新しい体験と発見による自発的な幼児教育を可能にする。必然と偶然が混在する生物多様性の遊び庭は、新しい時代に求められる幼稚園のあり方である。
■建築概要
建築設計/外構計画:SUGAWARADAISUKE
(担当:菅原大輔、原田勝之、上赤坂典幸、楢原弘志)
構造:オーノJAPAN
設備:YMO
植栽計画:GA ヤマザキ
サイン:花原正基
施工:岡建工事株式会社
写真:Jeremie Souteyrat
場所:埼玉、日本
設計期間:2012年10月-2013年10月
工事期間:2013年10-2015年4月
(2014年8月-building completed)
■経歴
菅原 大輔
- 1977
- 東京に生まれる
- 2000
- 日本大学 理工学部建築学科 卒業
- 2003
- 早稲田大学大学院 理工学研究科 修士課程 修了
- 2004
- 一級建築士取得
(一級建築士:登録312817号) - 2004
- C+A tokyo/シーラカンスアンド・
アソシエイツ - 2004–2005
- Jakob+Macfarlane(フランス)
- 2005–2007
- Shigeru Ban architect Europe
(フランス) - 2007-
- SUGAWARADAISUKE 設立
- 2011–2016
- 被災地支援団体陸前高田燈す
プロジェクト:りく×トモ設立運営メンバー - 2013–2022
- 日本大学 理工学部 非常勤講師
- 2015–2022
- 早稲田大学 創造理工学部 非常勤講師
- 2015–2016
- GROUNDSCAPEpaper 編集長
- 2016–2022
- 東洋大学 理工学部 非常勤講師
- 2016–2019
- 早稲田大学 創造理工研究科
博士後期課程(研究指導 修了退学) - 2017-
- 株式会社SUGAWARADAISUKE建築
事務所 改編 - 2017-
- 山梨県景観アドバイザー
- 2018–2022
- 法政大学 デザイン工学部 非常勤講師
- 2019-
- 港区景観アドバイザー
- 2019–2022
- 工学院大学 建築学部 非常勤講師
- 2020-
- 渋谷区景観アドバイザー
- 2020–2022
- 明治大学 理工学部 非常勤講師
- 2022–
- 東京電機大学 未来科学部 建築学科 准教授
株式会社SUGAWARADAISUKE建築事務所
http://sugawaradaisuke.com/
〒182-0033
東京都調布市富士見町3-20-2
FUJIMI LOUNGE 2階