東京都板橋区の住宅地に建つ18の住室を持つシェアハウスである。
1ヶ月限定居住の中で交流を自然に生む仕掛けとして、二本の螺旋階段がある吹抜空間を中央に配置し内部の動線がすべて弾力あるシェアードスペースとして計画した。「シェア」の概念が浸透した現在もシェアハウス居住に対し足踏みする人がいる状況で日常を居住者同士でどこまでシェアするかではなく個人が選択しシェアする空間や運用形態を考え「期間限定居住」と「定期イベントの開催」を手掛かりに心理的な敷居を無くす試みを企画段階で行った。各住室と水廻りが外周に階段状に絡まり3面接道の全ての方位に等価な外観を持つ。最上階の共用部は2箇所のキッチンを持ち外壁後退部分にテラスを配置することで周辺環境と高さの調和を生み、居住者が自然に長時間滞在しコミュニティを築く集いの場である。
年月をかけ拡張を続けながら新しい都市の中の公共性を獲得する場となることを期待している。
■建築概要
名称:東京合宿所
所在:東京都板橋区
用途:寄宿舎/シェアハウス
構造:鉄筋コンクリート造 地上4階
規模:353.77㎡(107.01坪)
設計監理:TA+A(伊原 慶)、ワシン建築事務所
構造設計:Eureka(永井拓生、大場康史)
テキスタイルデザイン:安東陽子デザイン(安東陽子)
施工:横山建設株式会社
家具:株式会社ビベルコーポレーション(大村健太郎)
写真:鳥村鋼一
■経歴
伊原慶
- 1981
- 東京都生まれ
- 2004
- 早稲田大学理工学部建築学科 卒業
- 2006
- 早稲田大学大学院建築学専攻修士課程修了
(入江正之研究室) - 2006-2013
- 大成建設株式会社設計本部 入社
- 2014-
- TA+A 設立 同 代表取締役
- 2014
- 早稲田大学創造理工学部建築学科
非常勤講師 - 2015-
- 武蔵野大学工学部建築デザイン学科
非常勤講師 - 2020-
- 武蔵野大学建築研究所 客員研究員
株式会社東京アーキテクツアンドアソシエイツ(TA+A)
https://www.tokyoarchitects.com/
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-31-7 ビラ・グロリア 601