本計画は構造用ビスの製造をしているシネジック株式会社の新社屋新築計画である。木造の可能性を広げる先進的な建築の提案が求められた。シネジックでは一般的なデスクワークに加え、実験や外部の研究者との協働によりものづくりの業務も行われているため、社員同士の働き方が影響し合い、活発な対話や連帯感が生まれるような場をつくりたいと考え、18mの大スパントラスによる大屋根の一体空間に多様な場が遍在する計画を行った。
屋根架構に対して地形的で動きのある床レベルを追従させることで、手が触れる程架構に近く覆われた場や架構の空間の繋がりを感じるひらいた場など、一様になりがちな大屋根建築のなかにオフィスが機能するために必要な場所性を与えている。それらの間に動線を巻き付け、空間の緩急、視線の抜けに誘発されてくるくると移動しながら社内の情報が入り交じる社屋となることを目指した。
■建築概要
所在地:宮城県富谷市
用途:事務所
設計:UENOA architects/長谷川欣則・堀越ふみ江
構造:ホルツストラ/稲山正弘 + KMC/蒲池健
設備:ジーエヌ設備計画(機械)
タクトコンフォート株式会社(電気) 施工:八光建設
外構:SfG landscape architects/大野暁彦
建築面積:633m²
延床面積:834m²
階数:地上2階
構造:木造(CLT)
竣工:2018年12月
写真:平井広行(竣工写真)
■経歴
長谷川欣則
- 埼玉県生まれ
- 2004
- 明治大学 理工学部建築学科 卒業
- 2006
- 明治大学大学院 理工学研究科
修士課程修了 - 2006
- 西沢立衛建築設計事務所
- 2008
- 岡田公彦建築設計事務所
- 2013-
- UENOA architects 共同主宰
- 2020-
- 東京藝術大学 coi拠点 特任講師
- 2021-
- 明治大学 兼任講師
■経歴
堀越ふみ江
- 栃木県生まれ
- 2003
- 法政大学工学部 建築学科 卒業
- 2003
- KTA一級建築士事務所
- 2008
- 日本設計
- 2013-
- UENOA architects 共同主宰
- 2016
- 東京大学大学院 農学生命科学研究科
修士課程修了 - 2020-
- 足利大学 非常勤講師/
工学院大学 非常勤講師 - 2021-
- 関東学院大学 非常勤講師
■受賞歴
Under 35 Architects exhibition 2014/出展
第22回 木材活用コンクール/木材活用賞
第47回 日本建築士会連合会賞/奨励賞
JIA 日本建築家協会優秀建築選2019/優秀建築選
第29回 日本建築美術工芸協会賞(AACA賞)/優秀賞
WOOD DESIGN AWARD 2019/入賞
dezeen award 2020/longlist
日事連建築賞 2020/奨励賞
DFA Design for Asia Awards 2020/
Gold Award + Grand Award with Special Mention
UENOA architects
http://uenoa.com/