旗竿敷地に建つ18戸の長屋の計画である。
3棟の分棟形式とし、吹き抜けのメゾネットやトップライトのあるフラットなど、住戸面積は小さいが広がりのある多様な住戸で構成した。
周辺環境と居住スペースを皮膜一枚で分断するのではなく、敷地内通路、ドライエリアおよび外部階段、縁側スペースが重層的に居住スペースを取り巻き、グラデーショナルに周囲から距離を取っている。
パネル状のカーテンで仕切られた「四辺縁側」は、居住スペースを周囲に拡大したり、逆にプライベートに集約したりすることを可能とする。
都市住民のライフスタイルに合わせて周囲との関係を段階的に、自律的に調整できる、新たな長屋形式の住まいの提案である。
■建築概要
建物名称:目黒八雲の長屋
所在地:東京都目黒区
建築用途:長屋
設計:高池葉子建築設計事務所
構造:浜田英明建築構造設計
設備:建築エネルギー研究所
外構デザインアドバイザー:FOLK
施工:[建築] アイガー産業
[テント・サイン] 三鷹テント
[外構] 藤橋造園
階数:地下1階、地上3階
主体構造:RC造
敷地面積:398.21㎡
建築面積:137.01㎡
延床面積:572.11㎡
設計期間:2016年3月〜2016年10月
工事期間:2016年11月〜2017年7月
写真:中村絵
■経歴
高池葉子
- 1982
- 千葉県生まれ
- 2008
- 慶應義塾大学大学院 修了
- 2008-2015
- 伊東豊雄建築設計事務所 勤務
- 2015
- 高池葉子建築設計事務所 設立
- 2017
- 慶應義塾大学 非常勤講師
- 2017-2021
- 工学院大学 非常勤講師
- 2020-2021
- 関東学院大学 非常勤講師
- 2021-
- 日本大学 非常勤講師・
明治大学 非常勤講師
2011年の東日本大震災の後、伊東豊雄氏と集いの場「みんなの家」の建築に奔走。その過程で、人と人の結びつきが強く残っている地域の力と、その力を発揮する建築のあり方に目覚める。
■受賞
- 2015
- 「神戸ビエンナーレしつらいアート部門」入賞
- 2018
- 「SDレビュー2018」奨励賞
- 2020
- 「第46回東京建築賞」
他、公共建築プロポーザル等の受賞
高池葉子建築設計事務所
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