地区計画区域内にある低層住宅街の細長い敷地は、間口9m、西側に集合住宅、北側に戸建住宅、東側にリサイクル店舗が隣接するため生活視線を受けやすい。
建主は、大きな窓で明るく、周辺からの視線を避けて庭でも楽しめる住宅を希望され、平面をずらしたL型配置が基本となった。
採光条件と視線条件の双方を満たす開口計画を考えるため、太陽の軌道、空間整理と同時に立体面に切り込みをつくる。表面化した『遮る窓と開く窓』は、稜線の谷間から光が降りそそぐように、光を多く取り入れる場所、光と視線を抑えたい場所、普遍性と特異性の双方が空間挙動として現れる。
内部は2.1mを基準に場面的な天井高さで、光と空気に微視的な変化を与える。相対変化による空間挙動は、暮らしの挙動へと移行され必然的な楽しみ方が生まれてくる。
敷地条件が抱える悩みを受け入れ、場所との対話から導かれた空間は、生活の質をより豊かにしてくれます。
■建築概要
作品名:稜線の傘
所在地:青森県青森市
家族構成:夫婦+子供
用途:専用住宅
構造:木造2階建て
敷地面積:234.87㎡
延床面積:116.15㎡
Ua値:0.40W/㎡K
設計監理:須藤大建築設計事務所
構造設計:株式会社建築構造研究所
施工:有限会社長谷川工務店
写真:須藤大
■経歴
須藤大(Masaru Suto)
- 1983
- 青森県生まれ
- 2001
- 会社員勤務
- 2011
- 北海道芸術デザイン専門学校
建築デザイン学科卒業 - 2011
- 蟻塚学建築設計事務所入所
- 2015
- 須藤大建築設計事務所設立
須藤大建築設計事務所
https://masarusuto.com/
〒038-0058
青森県青森市大字羽白字沢田293番地E号