「わかる」ことがもたらすこと
この建築は入れ子状の平面構成と、方形屋根を傾けた断面構成とでつくられる。入れ子状の平面構成は「みんなのための場所」を介してうかがうことができる。
入れ子状という言葉は知らなくても、建物の内側に白いボックスが入っているなというのが「わかる」という具合である。
構造は木造の在来工法で柱・梁・隅木・垂木は現しとする。外壁は構造芯から105ミリ外側にセットバックさせる。構造と外壁を分けることで真壁・大壁といった表層としての様式を超えて、よりはっきりと構成として「わかる」ことができる。
「みんなのための場所」が外側をぐるぐると連続していることも、その「わかる」ことに大きく影響を与えている。建物内部に入り視線で追っていくと、柱・梁・隅木・垂木といった言葉を知らなくても、ああこの建築はこんな感じで成り立っているのだなと「わかる」。
「わかる」ことは興味や関心そして喜びを招き、そこで暮らす人、訪れた人に清々しさをもたらす。
■建築概要
所在地:神奈川県鎌倉市
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:271㎡
延床面積:106㎡
規模構造:木造在来工法・2階建て
設計期間:2018年12月〜2019年7月
施工期間:2019年8月〜2019年12月
設計・監理:遠藤隆洋建築設計事務所
協力:構造 TS構造設計 担当/佐藤岳人
:環境 杉浦洋平建築設計事務所 担当/杉浦洋平
:照明 杉尾篤照明設計事務所 担当/杉尾篤
施工:瀬戸建設株式会社 担当/日吉正紀
写真:中山保寛写真事務所
■経歴
遠藤隆洋(Takahiro Endo)
- 1978
- 東京都生まれ
- 2002
- 東京理科大学理工学部建築学科 卒業
- 2004
- 同大学大学院修士課程 修了
(小嶋一浩研究室) - 2004-2016
- 山本理顕設計工場
[主な担当作品]
横須賀美術館(神奈川県横須賀市)
小田原城下町ホール(神奈川県小田原市)
宇都宮大学オプティクス教育研究センター
(栃木県宇都宮市)
ソウル江南ハウジング(韓国ソウル市)
豊島区西部地域複合施設(東京都豊島区)
台北天母レジデンス(台湾台北市)
横浜市立大学YCUスクエア
(神奈川県横浜市) - 2016-
- 遠藤隆洋建築設計事務所 設立
- 2020-
- 関東学院大学 非常勤講師
一級建築士事務所遠藤隆洋建築設計事務所
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