アパートや隣家に囲まれた住宅地に建つ、「親世帯」・「子世帯」・「地域のライブラリー」の3つ住戸のある家です。
相互の空間の分離と遮音が必要とされましたが、壁や床で完全に遮断するのではなく1階と2階の間に、三角形の隙間「屋根の空地」を設けました。
屋根に置かれた植栽が上下に伸びて、それぞれの住戸に侵食していくような緩やかな関係性と、本来の屋根のように、用途に縛られない自由で快適な居場所を作りたいと考えました。
「屋根の空地」という半外部の中間的な空間を設ける事で各住戸に対して、光や風をつなぎ、住人の視線や音をコントロールする環境的な役割を担っています。
また、同じように街に対しても住まいと街を遮断せず、ワークショップや地域の子供の遊び場になるように、1階に地域のライブラリーを設けました。直接的に開くのではなく、住まいと屋根の空地を介して間接的に、ちょうどよい距離感の地域コミュニティーを期待しています。
■建築概要
所在地:神奈川県川崎市
用途:長屋
家族構成:夫婦+子供2人+母親
構造:木造
敷地面積:180.74㎡
延床面積:144.47㎡
竣工年月:2018年3月
設計:白子秀隆建築設計事務所
施工:日本住研
写真:上田宏、畑拓
白子秀隆
- 1976
- 神奈川県生まれ
- 1998
- 東海大学建築学科卒業
- 2000
- 東海大学大学院修了
- 2000
- インターデザインアソシエイツ
- 2003
- 若松均建築設計事務所
- 2008
- 白子秀隆建築設計事務所設立
- 2011-
- 東海大学非常勤講師
- 2013-
- 日本工業大学非常勤講師
- 2014-2017
- 東京理科大学非常勤講師
白子秀隆建築設計事務所
https://shaa.jp/
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