この住宅には2つの課題があった。
1つ目は「コスト」である。予算に大きな制限があった為、敷地選定の段階から全体のコストバランスを見極め、計画を進めていく必要があった。
2つ目の課題は「距離感」である。クライアントは、非常にオープンな家庭環境であった。この家族にとって心地良い距離感を保つ為には、どのような空間構成が望ましいのかを思案するべきだと考えた。
設計の初期段階にコストの観点から建坪を25坪以下と制限を掛けた。やや狭小寄りになったこの住宅に広がりを持たせる為、7枚の床レベルをランダムにスキップさせた2階建のワンルームのような構成としている。また、天井を貼らないことにより敢えて足音が響きやすい設計とした。そのように構成された空間は一定の距離感を保った様々な〝場〟の設えにもなっている。
「コスト」と「距離感」という2つの課題を同時並行で融合させて考えることにより、心地良い住空間の提供を目指した。
■建築概要
工事名称:HOUSE-N
竣工:2016年12月
所在地:東京都八王子市
用途:専用住宅
構造:木造2階建て
敷地面積:125.02㎡
延床面積:81.51㎡
設計監理:N.A.O 加藤直樹
施工:株式会社バウムスタンフ
写真:花岡慎一
■経歴
加藤直樹
- 1986
- 神奈川県生まれ
- 2006
- 町田デザイン専門学校 建築デザイン科卒業
- 2007-2012
- ㈲高橋貢住環境設計事務所勤務
- 2012-2014
- 桑原茂建築設計事務所勤務
- 2014
- N.A.O設立
N.A.O
http://www.n-archi-o.com/
〒257-0015 神奈川県秦野市平沢