KENCHIKUさん

燕の歯科医院

設計:東海林健/東海林健建築設計事務所
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敷地は新潟県燕市秋葉町。

近くには保育園や小学校、中学校があり子供たちの声が響く、遠くには弥彦山を望む、豊かな環境。

その土地に、ブックストアと託児所を併設した、来院動機や使い方、過ごし方が公園のように「思い思い」な、全く新しい歯科医院が開院しました。

1Fをクリニックスペース、2Fをスタッフスペースとした木造2階建て。
1Fでは消毒室やレントゲン室、カルテ庫、トイレといった機能室を建物中心にコアとして配置し、その周りに全面ガラス張りの開放的な診察室と待合スペースを、その周りにデッキテラスを、さらにその周りにぐるりと庭を配置。

そのデッキステラスや庭には、それらを囲い込むように大きな帽子のような覆いが架けられ、それにより生まれる「屋外のような室内のような曖昧な領域/バッファスペース」が、雪や雨、夏の日射や冬の北西風(この土地特有の弥彦おろし)、そしてプライバシーを調節し守ってくれることで、四季に包まれた豊かな居心地を待合スペース、診療スペースにて実現。

1F、2Fも一体的に繋がる大きなワンルームの空調は、薪ストーブやヒートポンプを利活用した輻射熱空調とし、身体に直接風を当てて冷やしたり暖めたりするのではなく、建物を冷やしたり暖めたりすることで生まれる輻射熱により身体に直接働きかけることで、診療台の上で口を大きく開けた無防備な患者さんにとって不快のない状態を計画。

医院の中に取り込まれた四季と時間の移ろい。
待合に設置された大きな机と沢山の書籍。

屋内外をゆるくつなぐ弱い空調。
屋内まで引き込まれた屋外のデッキテラス材。

建物の大外に架けられた大きな帽子に開けられたアーチ開口がつなぐこちら側と向こう側。
既成の歯科医院のような一つの目的の為の施設ではなく、歯科医院である以前に「みんなの公園」であるような、そして同時に「自分の部屋」であるような、各自の「思い思い」に応えられるタフで包容性のある、「プラスα」を楽しめる環境が実現出来ている。

■建築概要
用途:歯科医院
規模:163.5㎡
構造:木造
所在:新潟県燕市
設計:東海林健建築設計事務所(担当 平野勇気 嶋田貴之)
構造設計:田中哲也建築構造計画(担当 田中哲也)
照明設計:FORLIGHTS(担当 稲葉裕)
施工:マルモ建設(担当 小川)
撮影:藤井浩司(ナカサ&パートナーズ)

 

東海林 健(Takeru Shoji)

1975
秋田生まれ
1999
新潟大学工学部建設学科 建築学コース卒業
2002-2003
Berlage-Institute 大学院(オランダ ロッテルダム市)
2004
s.i.k.i 建築設計事務所設立(共同主宰)
2008
東海林健 建築設計事務所設立
2012
長岡造形大学非常勤講師(-2013)
2018
長岡造形大学非常勤講師(-2019)

 

株式会社 東海林健建築設計事務所
http://www.takerushoji.jp
新潟県新潟市中央区西大畑町591-1
異人池ハウス202

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