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書評:『家が動く!曳家の仕事』(一般社団法人 日本曳家協会 編)


新しい道路の建設や災害など、何らかの事情で建物が邪魔になった時、「曳家」の技術を使えば、大切な建物を壊さずに守ることが出来る。日本や海外で活躍する「曳家」の事例を、豊富なカラー写真で紹介する。

「曳家」の実際の仕事人は意外なことに鳶職で、解体、足場、くい打ちなど、地味だが欠かすことの出来ない鳶の仕事の一つに「曳家」がある。
水平移動はもちろんのこと、18メートルの崖をよじ登る、平屋の家を2階の高さまで持ち上げ新しく1階部分をつくる、既存の家の下に免震装置を設置する、液状化で傾いた家を元に戻すなど、機械化しにくい作業のため、経験豊かな職人が難しいニーズに丁寧に応えてゆく。建物を一切解体せず、時には家で生活したまま建物を移動させるので、資材の節約にもなり経済的と言えるだろう。
住宅をはじめ、学校やコンクリートビルなどの大きな建築物や、重要文化財の建物、山門や鳥居等の寺社建築、ひいては銀杏の大木など、動かせるものは建築物だけに留まらない。東日本大震災の津波で打ち上げられた船も、「曳家」の技術で海へと戻すことが出来た。(事例ごとの詳しい図解付き)

人と建築の現代的な関わり方のヒントとして、「曳家」の可能性を知ることが出来る1冊である。

(定価:本体1,600円+税)

(一社)日本曳家協会
http://www.nihon-hikiya.or.jp/
発売:相模書房
http://www.tokyo-kansho.co.jp/cbp/sagamisyobou/sagamisyobou.htm
発行:南風舎
http://www.nampoosha.com/


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