2007年春に東京工業大学(東工大)、東京藝術大学(藝大)、東京大学(東大)の三校による卒業設計合同講評会としてスタートし、昨年から中国と韓国から1校ずつ招待して「五大学」となった卒業設計合同講評会。今年も例年通り学生主体の運営のもと、東京大学本郷キャンパス安田講堂にて開催された(2012.2.28)。
[審査委員]
迫慶一郎、チョウ・ミンスク、中山英之、古谷誠章、山梨知彦
各大学から選抜された代表者計13名(国内3校は3名、海外は2名[但し、中国美術学院は当日1名欠席])が4組に分かれ、パワーポイント等を使ったプレゼンテーション(5分)の後、作品模型(永田氏はモックアップ)とパネルを前に、審査委員からの質問を受けた。
発表者および作品名と、各賞は次の通り。
[発表順 敬称略]
01.小林誠(芸大)「Let Town Dance You」迫慶一郎賞
02.中倉徹紀(東大)「イチジク開発計画」
03.戸井田哲郎(東工大)「風景に棲まう ~沿岸部斜面地住宅の提案~」
04.Zhouwei Chen(中国美術学院)「Slope & Mesh」古谷誠章賞
05.牧野理加(東大)「生活のノード」
06.永田康祐(藝大)「Architectural cloud」山梨知彦賞
07.Hyun-sik Mun(ソウル大)「Agritainment Cuiture Park」
08.堀内健太郎(東工大)「個性を街に向けて」
09.島田潤(東大)「区役所_還元」
10.Jin-kyoung Lee(ソウル大)「PRIVATE CITY / PUBLIC HOME」グランプリ
11.村部塁(東工大)「呼吸する居城-山谷地域開発計画-」チョウ・ミンスク賞
12.沼田祐子(藝大)「風景の転換」中山英之賞(グランプリ次点)
13.Wenzhi Huangfu(中国美術学院)※当日欠席につき、同校Zhouwei Chen氏が代行
グランプリ選出は、先ず各審査委員が持ち票3を上位にふさわしいと思う3作品に対して投じ(中山氏のみ2作品選出[内訳:1作品に2票、1作品に1票])、2票以上を獲得した4作品に絞られた。
決戦投票は2作品に票が割れた。Jin-kyoung Lee氏(ソウル大)の「PRIVATE CITY / PUBLIC HOME」は、韓国ソウル市における新しい都市空間のあり方、高層高密でありながら住まい手のプライバシーを護っている点など、単純なプログラムから立ち上がった優れたデザイン性が、全審査員から高い評価を受けた。対する沼田祐子氏(藝大)の「風景の転換」は、「卒制にありきたりなアートスペースかと思いきや、13作品中プログラムが最もよくできている」と山梨氏が評した作品。神田川を上り下りする不燃ゴミ運搬船の存在に着想を得て、万世橋駅跡地をゴミ中継所を含むアートスポットに変容させるという提案。1票差でJin-kyoung Lee氏がグランプリに輝いた。
審査会後は国内3大学の指導教授が審査講評を引き継いでまとめ、6時間に及んだ審査会を終了した。
主催 :東京大学工学部建築学科
共催 :東京大学グローバルCOEプログラム「都市空間の持続再生学の展開」
東京大学グローバルCOEプログラム「都市空間の持続再生学の展開」
http://csur.t.u-tokyo.ac.jp/
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