ハンドルメーカー株式会社ユニオン(以下UNION)が、パリを拠点に世界的に活躍する建築家 田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)と組み、4月9日(火)〜14日(日)にミラノで開催する世界最大規模のデザインウィークにてインスタレーションを行う。
UNIONの前身は、戦後まもなく開いた大阪の小さな金物商店。そこから転身し、1958年にドアハンドル/レバーハンドル・ドアノブ中心の建築金物メーカーとしての歴史を刻み始めたUNION。その後すぐにやってきた1960年代の建設ラッシュの際には、UNIONも建築家やデザイナーと、建物や空間のためのハンドルを数多く手がけることになる。
建築家がある場所のためにデザインしたハンドルを、たった一つから作り、その後デザインを継承し製造を続けているものも多数。例えば村野藤吾が手がけた、心斎橋の喫茶店「プランタン」のエントランスのドアハンドル、岡田新一が設計した1974年竣工の最高裁判所にカスタムメイドで納入されたドアハンドル。
そうして、ドアハンドルに特化したものづくりの道を歩んできて60周年を迎えた現在、国内シェア80%を超える日本を代表する「ドアハンドルメーカー」へと成長。
日本を中心に活動を行なってきたこの60年。これからはもっと国や文化を超え世界中の様々な場所で、ものづくりに挑戦していきたいと考え、次の60年、世界に向けた幕をミラノで上げる。
今回コラボレーションをする建築家の田根剛は、UNIONが行なってきたハンドル製造、歴史、技術、素材やプロセスを読み解きながら、脈々と流れるこの精神をどのように表現し世界に伝えるかを考えた。
たどり着いたのは、古代から行われている鋳造の中ではもっとも古い方法の「砂型鋳造」のプロセス。UNIONでは創業当初から使用している一つの技術で、現在もハンドルの試作やごく小さなロットの製造時に使用している一つの技術。
タイトルに「One Design - One Handle」と名付け、ひとつのデザインからひとつのハンドルを製造することを可能にする「砂型鋳造」の技術にフォーカスし、元工場だった会場で、プロセスとハンドルを組成する膨大な資料と素材によるインスタレーションを行う。
会場構成/インスタレーション
田根 剛
建築家。1979年東京生まれ。Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表、フランス・パリを拠点に活動。
代表作『エストニア国立博物館』(2016)、『新国立競技場・古墳スタジアム(案)』(2012)、『LIGHT is TIME』(2014)
など国際的な注目を集める。 フランス文化庁新進建築家賞(2008)、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞、アーキテクト・オブ・ザ・イヤー2019など多数受賞 。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。
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