青木淳退任記念展 雲と息つぎ ―テンポラリーなリノベーションとしての展覧会 番外編―
概要 |
本展は、東京藝術大学美術学部建築科において5年間教鞭を執ってきた青木淳の退任記念展です。青木の研究室では、毎年修士1年が、「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会」を企画、実践してきましたが、今回はその「番外編」として青木が主導し、同テーマで開催されるものです。テンポラリーなリノベーションが施されるのは、東京藝術大学陳列館です。
建築とは、私たちに先立っていまここに存在している環境に対して、想像力をもって働きかけ、私たちの存在の基盤である環境そのものを揺り動かすことと、青木は考えてきました。一見、盤石の存在に見える目の前の環境もまた、それぞれの人の意志によって改変できるし、またそうすることによって、私たちは「自由」になれるものです。建築とは、単に建築物をつくるということよりも広く、環境へのそうした働きかけを指す概念であると考えてきたわけです。
青木は、大学という場で、実務的な意味での「建築」の基盤となる、概念的な意味での「建築」を後進に伝えようとしてきました。
東京藝術大学陳列館は、1929年に、岡田信一郎の設計により、大学の展示空間として建てられた建築です。以来そこでは、数多くの展覧会が開催されてきましたが、今回はその陳列館自体を「展示」するものと言えます。展示としてのそのリノベーションは、しかしインスタレーションにより、いつもの陳列館とは異なる陳列館に変貌させるということを目的としたものではありません。そうではなく、いつもは展示を支える背景としてあまり意識されていない潜在的な空間の質を、最小限の手つきで、いつもの陳列館に見出すことを目標としています。
建築はまた、特定の個人に帰属する「作品」に収束するのとは逆に、多くの人に開かれ広がることを目指すものです。それゆえ、本展では、教育研究助手、修士1年の学生たちはもちろんのこと、菊地敦己、小金沢健人、中村竜治の3人に加わってもらい、主体のさらなる重層化を図っています。
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会期 |
2023年11月18日(土)〜2023年12月3日(日)10:00〜17:00(入館は16:30まで)
会期中無休
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会場 |
東京藝術大学大学美術館 陳列館1、2階
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アクセス |
https://museum.geidai.ac.jp/information/
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観覧料 |
無料
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関連イベント |
12月3日(最終日)、16:00より
小金沢健人によるパフォーマンス
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主催 |
東京藝術大学美術学部、東京藝術大学美術館
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問合せ |
ハローダイヤル:050-5541-8600
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詳細 |
https://aoki-lab.tumblr.com
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