耕す建築 暮らしの基盤を作る【木村吉成 + 松本尚子 × 古谷俊一】
「住宅設計原寸図集」 「みどりの空間学 36のデザイン手法」刊行記念イベント
開催趣旨

木村松本建築設計事務所の「住宅設計原寸図集」が出版されたとき木村松本さんから東京でも出版イベントが開けないか?と問われそれでは我々の「みどりの空間学」と合同でやりませんかと申し上げたところやろうやろうとなった。松本さんとは京都芸術大学でご一緒しているのと拙著の中に彼らの House / shop F を取り上げたことなどから近しい間柄となった。彼らの建築に抱く印象は建築がどう作られているのか分かり易いということだ。言い換えるのなら生活における住まい手の創意工夫を喚起させる絶妙なおさまりの集合体が建築の体を成しており、住まいは引き渡した後も成長するのである。
建築学が生まれる以前、家は施主と大工が直接話し合って間取りや作りや装飾を決めた。そこには普請に伴う施主と職人の暗黙の図らいが存在し心意気の集合体が都市の景観を作っていた。誤解を恐れずいうのであれば木村松本はその頃の大工さんの心意気を継承しているように感じる。
今回会場を栄港建設としたのも意図がある。栄港さんは建築家としか仕事をしない。建築家と向き合う人間力のある多くの監督さん達にも今回の話に混ざってもらいたかった。大変な建築家の設計をなんとか実現しようと汗をかく。この時の監督の頭の中にも住まいをよくしようとする技能に支えられた心意気がある。
一方みどりの空間は分かり易い。植え込んだみどりは建物との関係性を日々更新し続ける。建築を取り巻く外部空間の強弱をみどりで調整をする。設計者や施主が感性を頼りにどうしたら自分好みの内外の織り混ざりを実現できるのか考える。その時に町との関係も一緒に考えている。
今回のイベントを「耕す建築」と名付けた理由は上記のようなことの断片を皆と話したいからだ。一つの建築がまちの一要素となってその良さなり住まいのありようが伝播して街をつくっていく。設計者や施主が耕した住まいが発端になって街が耕されていく。ご周知のように cultivate の語源は culture であるようにこれらの行いは文化創造である。
社会で起きていることが分かりずらく超加速度的で目が回る現代において、ふっと立ち止まって暮らしの基盤を作る耕す建築について考えたい。

文・古谷俊一

日時

2023年5月26日(金)16:00~
※18:30~パーティー(栄港建設「建築家と関係者の皆さまご苦労様ですの会」も兼ねる)

会場

株式会社栄港建設 社屋
(神奈川県横浜市港北区北新横浜1-7-8)

アクセス

https://www.eikou.co.jp/company.html#u328181-4

参加費

2000円(ワンドリンク付)

定員

30名(着席)+10名(立ち見)※パーティーは立食

話者
(敬称略)

木村 吉成 (木村松本建築設計事務所/建築家)
松本 尚子 (木村松本建築設計事務所/建築家)
古谷 俊一(古谷デザイン建築設計事務所/建築家・造園家)

主催

耕す建築 実行委員会

問合せ

古谷デザイン建築設計事務所
TEL: 03-6452-2623

詳細・申込

https://tagayasukenchiku.peatix.com/


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