NPO 木の建築フォラム 2021年度Web講習会「伝統木造のレジリエンス[生き延びる力]を考える」
概要

伝統木造建築は、環境や社会状況の変化に適応し、今日まで生き延びてきました。「レジリエンス」という言葉は、物理学の用語として端を発し、現代では心理学、経営学、組織論などにおいて、「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」として広く用いられるようになった考え方です。この概念は、伝統木造建築が備えている特質を端的に表すものであり、またその生かし方を考えるうえで必須のキーワードであるといえます。
本講座はこの特質を、伝統木造のレジリエンスと呼ぶことで、伝統木造構法の柔軟性あるいはその限界を見定め、あるいは伝統家屋の日本らしさとはどこにあるのか、またその住環境をどうとらえるか、といった多角的な視野から問題を提起し、その「生き延びる力」を検証します。今年度はオムニバス形式で4回の講義を行います。

(コーディネーター:堀江 亨(日本大学))

定員

50名

受講料

(4回通し)会員7,000円、一般:10,000円
(各回受講)会員2,000円、一般:3,000円
※消費税込

講座内容

■第1回
「町家建築の空間構成からみたレジリエンス」
日時:2021年10月16日(土)14:00~16:00
講師:黒野 弘靖(新潟大学)
オブザーバー:二村 悟(日本大学)
町家の空間構成に関するフィールドワークをもとに、木造軸組によってできた空間の変容とその融通性について、和小屋を多用した小屋組との関係などから解説します。

■第2回
「伝統木造建築の回復力と持続性」
日時:2021年11月13日(土)14:00~16:00
講師:マーティン N. モリス(千葉大学)
オブザーバー:源 愛日児(元 武蔵野美術大学)
千葉県一宮町の建物調査を例に、建物の変遷過程から伝統木造の継承性について述べ、また広く日本建築史をみたときに、恒久的な組積造建築とは異なる、解体可能で移築・再建のしやすい特質について言及します。

■第3回
「既存木造住宅の温熱環境とレジリエンス」
日時:2021年12月11日(土)14:00~16:00
講師:篠 節子(篠計画工房)
オブザーバー:片岡 泰子(木造建築環境設計所)
省エネルギー基準説明義務化の流れのなかで、既存住宅として古民家における外皮性能等の建築的工夫はどのように評価されるのかを、気候風土適応住宅に関連した法令を踏まえて展望します。

■第4回
「明治維新以降の和と洋のレジリエンス」
日時:2022年1月22日(土)14:00~16:00
講師:内田青蔵(神奈川大学)
オブザーバー:伊郷吉信(自由建築研究所)
近代において木造が和風から洋風に移行する際に住宅建築に起こった変化と適応力について、転換期の住宅類型や建築家の作品などを参照しながら、伝統建築の「生き延びる力」を考えます。

申込方法

下記の申込フォームからお申し込みください。
https://forms.gle/faZM4feEQnzKhaqZ7

主催

特定非営利活動法人 木の建築フォラム

問合せ

NPO木の建築フォラム事務局
Email:office@forum.or.jp
TEL:03-5840-6405
FAX:03-5840-6406

詳細

http://www.forum.or.jp/


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