使用木材：SPF材、LVL材、集成材
構　　造：2×4工法
階　　高：4階建
竣　　工：2019年1月
敷地面積：344.65㎡
建築面積：238.25㎡
延床面積：884.87㎡

審査講評　腰原 幹雄

狭小間口で奥行きのある細長い敷地では、短辺方向に壁を確保しにくいのが課題であった。本計画では、「通り土間」形状を採用し、長辺方向からのアプローチとすることで、短辺方向を戸境壁として無開口の耐柔壁を配置可能としている。揚重機を用いない施工とあわせて狭小間口地での都市型中層木造の好例が実現されている。

使用木材：上枠・下枠/SPF、面材/構造用合板、たて枠/
SPF、床梁/LVL（カラマツ）、床梁/SPF
構　　造：1階RC造、２～4階2×4工法
階　　高：4階建
竣　　工：2019年3月
敷地面積：6476.81㎡
建築面積：2567.82㎡
延床面積：8517.51㎡

審査講評　腰原 幹雄

4階建て特別養護老人ホームは、中層木造の得意分野となってきており、実現規模は徐々に大きくなってきている。従来の木造工法と同等の設計、施工の経験を活かすためには、大規模になっても、適切な規模の集合体として考えることは自然であり、 EXP-Jや二重耐力壁を適用した無理がなく、明快な建物が実現されている。

使用木材：構造壁/SPF、上枠・下枠/SPF、
面材/構造用合板
構　　造：地下1階RC造、 1～3階2×4工法
階　　高：4階建
竣　　工：2019年6月
敷地面積：1820.60㎡
建築面積：807.32㎡
延床面積：2108.25㎡

審査講評　東 利恵

高齢化する社会の中での有料老人ホームの建替は今後増えていく課題だろう。高齢者は環境の変化への対応がなかなか難しい。この計画では、利用者への負担を最小限にするために木造を採用し建替を行っている。既存をうまく残しながらの3期にわたる建替、また、木造の利点であるエ期の短さ、ひしめきあう新旧の建物の中での木造ならではの施工の優位性をうまく利用している。

使用木材：スタッド（縦枠）/国産スギ材、
床組・小屋組/SPF材
構　　造：1～2階RC造、3～5階2×4工法
階　　高：5階建
竣　　工：2019年7月
敷地面積：227.34㎡
建築面積：142.98㎡
延床面積：569.48㎡

審査講評　東 利恵

線路に面した1・2階はRC造、客室の3階から5階はツーバイフォーという構造の特性に合わせた混構造だが、グリッドのモデュールを合わせ、デザインをうまくまとめている。木造部には外観も木の仕上げを採用し、木造であることを外部から見ても伝えられている。混構造としてのデザインをうまくまとめていると評価した。

使用木材：構造用製材、構造用集成材、構造用合板、
外壁サイディング（レッドシダー）
構　　造：2×4工法
階　　高：4階建
竣　　工：2019年11月
敷地面積：82.35㎡
建築面積：52.83㎡
延床面積：218.86㎡

審査講評　原田 真宏

4層8世帯のシングル向け集合住宅。いわゆる郊外の2階建て賃貸アバートを縦にしたような建築であって、そのことに可能性を感じる。つまり都市部で小さな士地を持つ大家が、町場の工務店に依頼して実現できそうな新しい建築形式を提示しているように考えられるのである。従来の横長のアバートと同程度の予算で実現できればそ の普及性は大変高く、この点を高く評価した。

使用木材：スタッド（間柱）/国産杉材、
その他部位/SPF材・集成材
構　　造：2×4工法
階　　高：5階建
竣　　工：2020年1月
敷地面積：87.3㎡
建築面積：87.3㎡
延床面積：253.4㎡

審査講評　腰原 幹雄

2時間耐火構造による5階建2x4工法建築の実現。この規模はこれまで鉄骨造が主流であったが、鉄骨造と比較しながら施主への提案からの実現は、今後の普及の好例になると期待される。アスベクト比の大きくなる都市型中層木造でのタイダウンシステムも定着してきた。

使用木材：CLTパネル/国産スギ、梁/ベイマツ・
欧州アカマツ集成材、外壁/国産ヒノキ、
居室壁/国産スギほか
構　　造：1階RC造、 2～5階CLTパネル工法
階　　高：5階建
竣　　工：2016年7月
敷地面積：272.74㎡
建築面積：194.99㎡
延床面積：971.54㎡

審査講評　原田 真宏

2〜5階をCLTによる木造とした障害者福祉施設。木造ならではの親近感とCLTの安定感が用途にふさわしい空間性を実現している。各階テラスは下界からの廷線を防ぎ、同じ目的で各階の外壁下部に貼られた鉄板と合わせて、用途・耐火性能・街並み・意匠を同時に解決する「木造中層建築物ならではの合理的な建築様式」となり得ており普遍性も持ち得ている。

使用木材：心柱：直径約500mm、長さ約10mの檜丸太、
床・天井：檜、ナラ、杉（全て無垢材）、
屋上デッキ・屋根階段：セランカンバツ
構　　造：地階RC造、地上軸組工法
階　　高：4階建
竣　　工：2016年9月
敷地面積：49.6㎡
建築面積：29.6 ㎡
延床面積：71.4 ㎡

審査講評　原田 真宏

直径50cm、長さ10mの天然木柱を中心に据え、その周囲に6枚の小さなスラブを夫々半層分の隙間を開けて取り付けている。大きな心柱の象徴性による心理的なつながりと隙間を持つスキップフロアによる空間的なつながりによって、縦長な建築でありながら家族に一体惑をもたらし、住宅としで適切である。この心柱は施主とともに山に登り林業家から直接買い付けたというが、暮らしと山を直接に結ぶ木材流通上のトライアルも評価した。