最終更新 2020/03/03 15:30
ザハ・ハディド・アーキテクツが中国で竣工したソーホーはいくつあるのか。北京では「望京ソーホー」、「ギャラクシー・ソーホー」、上海で「スカイ・ソーホー」など、もっとあるかもしれない。北京の二つは見学したことがあるが、いずれもスケールの大きな建築で、曲線で構成された流線形をしている。
今回完成した「リーザ・ソーホー」は、やはり北京に完成したもので、その謳い文句が、世界最高のアトリウムをもつという。ザハ・ハディドが2016年に死去する前にデザインした「リーザ・ソーホー」は、北京のビジネス街である豊台地区にあり、建物中心部に立ち上がるアトリウムが捻れて建物を垂直に突き抜けている。
今回の「リーザ・ソーホー」は、かつての「望京ソーホー」や「ギャラクシー・ソーホー」のデベロッパーであるソーホー・チャイナ社からの特命だ。建物内部ではショップとオフィスが巨大なアトリウムを取り囲んで展開している。
新しいビジネス地区は北京の多面的なアーバン・プランには不可決で、市の中心部にある既存のインフラストラクチャーにインパクトを与えることなく発展することが目論まれている。この45階建て、延床面積172,800㎡のタワーは、フレキシブルかつ効果的なグレードAオフィス・スペースとして、北京の小・中サイズのビジネス会社からの要望に対応している。
地下4階、地上45階建ての「リーザ・ソーホー」は、このビジネス地区駅近くの敷地にあり、近くを通る地下鉄のサービス・トンネルを跨いで‘配置されている。このような条件から、ザハ・ハディド・アーキテクツは建物を二つに分け、その結果建物中心部にジャイアント・アトリウムが生まれることになった。
このアトリウムは建物の高さいっぱいの194.15mに立ち上がり、ドバイにある「ブルジュ・アル・アラブ・ホテル」のそれを抜いて、世界一高いアトリウムになっている。それは上昇するに連れてヴォイド・スペースが45度も捻れて、あたかもタワーの両サイドがダイナミックな踊りをしているかのように見える。これはまたタワーの上部レベル二つを揃えて、北京西側のメイン・ストリートのひとつであるリーゼ道路を見下ろすようにしている。
アトリウムのダイナミックな形は、両サイドのタワーの側面にへこんだオープニングを創造しており、それにより自然光をインテリア空間に導入し、各フロアから北京市への見晴らしを提供している。アトリウムの最下部は、ビジネス・エリアのパブリック・スペースとして機能するようデザインされており、敷地の側面にあるインターチェンジに直接リンクできるようになっている。
「リーザ・ソーホー」のアトリウムは、新しいビジネス地区のためのパブリック・スクエアとして機能し、タワー内の全てのスペースとリンクし、捻れた彫刻的なフォルムにより多面的な景色を提供。さらに北京市の輸送ネットワークに直結している新しい魅力的な市民スペースを創造している。
「リーザ・ソーホー」のふたつのタワーは、アトリウム内の4つのレベルにおいて空中ブリッジで連結されており、外部では両者はガラス・カーテンウォールで繋がれている。このガラス・ファサードはダブル・インシュレーションされており、無数のガラス・パネルで構成されヴェンチレーション用に角度が付けられている。
(Portrait by Brigitte Lacombe)
・Photos by Hufton + Crow
・Drawings by Zaha Hadid Architects
・Photos and Materials: Courtesy of Zaha Hadid Architects
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