KENCHIKUさん

SHIBARA BUILDING― 図面無・済証無・旧耐震 ―

設計:香月 真大/SIA一級建築士事務所
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港区芝浦の運河沿いに建つ、1977 年竣工の鉄骨造 8 階建て既存オフィスビルを、ラグジュアリーホテルへとコンバージョンした計画である。

施主は港湾業を営み、創業期に使用していた自社ビルの活用を模索していた。本計画は、建築図面や確認申請図書、検査済証が残されていない旧耐震建築物という、不確実な条件から出発している。

日本の都市には、制度の過渡期に建てられたことで、法的・図面的記録が欠落したまま存続している建築ストックが存在する。本計画では、それらを単なるリスクとして扱うのではなく、現況性能や使用実態を読み替えることで、現代的用途へ接続可能な都市資源として再評価した。

モノトーンを基調とした空間の中に、光・反射・陰影を挿入し、運河の風景を内部へ取り込むことで、都市と建築の関係を再構成している。

 

本計画は、図面や検査済証が残されていない既存建築を、制度的欠陥としてではなく、更新可能な都市資源として捉え直す試みである。

外装・内装はモノトーンを基調とし、透過・反射・陰影によって空間の奥行きを構成した。閉じた外観に対し、内部には光の層を挿入することで、用途転換に伴う新たな体験を生み出している。また、運河に面した立地条件を読み替え、水面の反射や視線の抜けを内部へ取り込むことで、都市と建築の関係を再編した。

本計画は、確認済証や検査済証といった制度的適合の回復を目的としていない。現況の構造・利用実態・空間性能を精査し、それらを再評価することで、既存建築を現代的用途へ接続している。不確実なストックを前提とする都市において、建築の扱い方そのものを再定義する試みである。

■建築概要

用途:サービスアパートメント+ホテル
構造:鉄骨造
規模:地上 8 階
延床面積:808 ㎡
建築面積:108 ㎡
竣工年:2026年

 

■マテリアル

外装:レッドブリックタイル(国代耐火工業)
床:ウォールナットフローリング/フロアタイル(サンゲツ)
建具:スチールドア(LIXIL/三和シャッター)
サッシ:アルミサッシ(LIXIL サーモスX)
屋根:ウレタン防水+グレー塗装(日本ペイント)
照明:ブラックアルミ照明(DAIKO)
内装壁:白色クロス(サンゲツ)
水廻り:タンクレストイレ(TOTO GG)
エントランス床:ラピスラズリタイル 450角(サンゲツ)
内部床:ダークグレータイル(LIXIL HEシリーズ)
外構:ブラックストーン調フロアタイル(サンゲツ)

 

香月 真大(カツキ マサヒロ)
■経歴

2007
法政大学工学部建築学科 卒業
2007-2011
早稲田大学大学院 創造理工学研究科 修士課程 修了
2011-2013
石山修武研究室 勤務、中国・上海へ渡航
2013
SIA(second international architecture)設立
2018
「すぎなみの街並みを作る会」設立(建築展・トークイベント・交流会の企画運営)
2021
東京・沖縄を拠点に設計活動を行う

 

SIA 一級建築士事務所
Website:https://www.instagram.com/shinkatsuki/

〒166-0003
東京都杉並区高円寺南 2-45-18 ハウスラボ 3 階

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