KENCHIKUさん

生態系と共に生きる家

設計:高野洋平+森田祥子/MARU。architecture
Now Loading...

Loading...

大阪府箕面市の家族5人とトカゲ・犬・魚・ハムスターなどが一緒に暮らすための住宅である。

クライアントは、幼少期から自然や動物を愛し、彼が理想とする住宅は、自然環境や多様な生物が別け隔てなく共に生きることができるものであった。とりわけ、特殊性の高い熱帯性のトカゲの生育環境と人間の居住環境が一体となることが重視された。

 

そこで、私達は、このような生態系毎の環境の違いを受け止めながら、それらが接点を持ち、共にあることのできる住居を目指した。

建築の具体的な構成としては、常に21℃以上が求められるトカゲが暮らす森を住宅の中央に配置し、その周りを居住環境が取り囲む「温熱環境の入れ子」の構成を採用した。

次に、採光・通風を制御する井型の壁を、内外を横断するように配置することで、森、室内、箕面の自然のつながりを作り出した。更に、この井型の壁を拠り所にして、森、室内、屋外の境界となる壁面をヒダ状として、それぞれの応答関係を生み出した。

内外を横断する強い壁と、ヒダ状の弱い壁が重なり合うことで、内外に多様な隙間の空間が生まれ、人間や動物や植物が寄り添う手がかりとなる。多様な隙間の空間は、それぞれの場所性を生み出しながらも、その破れ目を通じて繋がりあっている。

場所の多様性と連続性を同時につくることによって、様々な系が折り重なり家族と動植物たちが共に生きることができる環境となることを目指している。

■建築概要
所在地/大阪府箕面市
主要用途/住宅
建築設計:MARU。architecture/
     高野洋平 森田祥子 児玉貴典 岡部敬太  
構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所/坂田涼太郎 狩野祐哉 
外構設計:SfG landscape architects /大野暁彦 髙木里美
環境デザイン:神戸芸術工科大学/荻原廣高
建築施工:コムウト/舩橋耕太郎 髙野泰幹
室内庭植栽:ランドサット/春日貴幸
室内庭池:アクアフォレスト/汐俊和
写真撮影:関拓弥
構造:木造
階数:地上2階建
敷地面積 176.87㎡
建築面積 84.03㎡
延床面積 144.88㎡
工事期間 2021年1月〜2021年10月

 

■経歴
高野洋平

1979
愛知県生まれ
2003
千葉大学大学院修了
2003-2013
佐藤総合計画
2013-
MARU。architecture共同主宰
2013-2016
千葉大学大学院工学研究科博士後期課程 博士(工学)
現在、千葉大学大学院工学研究院 准教授、
高知工科大学客員教授、
京都大学非常勤講師

 

■経歴
森田祥子

1982
茨城県生まれ
2008
早稲田大学大学院修了
2010-2013
NASCA
2010-
MARU。architecture設立
2011-2014
東京大学大学院特任研究員
2013-
MARU。architecture共同主宰
現在、早稲田大学非常勤講師、
日本大学非常勤講師

 

MARU。architecture

Cookie(クッキー)
当社のウェブサイトは、利便性、品質維持・向上を目的に、Cookie を使用しております。詳しくはクッキー使用についてをご覧ください。
Cookie の利用に同意頂ける場合は、「同意する」ボタンを押してください。同意頂けない場合は、ブラウザを閉じて閲覧を中止してください。