愛媛県の郊外に位置する新しく造成された土地の中で、様々な角度を持った敷地境界線と建物に囲まれた敷地に建つ住宅の計画。本計画では、歪な輪郭を持った変形旗竿地における建物と敷地境界線との距離を設計することで、隣地を含んだ外部との新たな関係性の構築を試みたプロジェクトである。
具体的には、変形旗竿地の旗部分と竿部分を貫くように幅1間の細長いボリュームを挿入するように配置する。内部の各スペース全てが、東西両側に手を伸ばせば届きそうな距離の外壁面を持ち、そこに隣地との関係を調整しながら外部へとつながる開口と溜まりの場となる軸から少し膨らんだ場所を配置していく。住まい手の暮らしの中で逐一見え隠れする隣地は、高低差を含む変形した境界や様々な設えとその距離の取り方によって、動的に変化していく。周辺環境の全てを肯定し、住まい手の暮らしの一部になるような建ち方が、この場所にふさわしいと考えた。
■建築概要
所在地:愛媛県伊予市
主要用途:住宅
構造:木造
敷地面積: 252.50㎡
建築面積: 62.53㎡
延床面積: 100.90㎡
設計期間:2020年6月~2021年4月
施工期間:2021年5月~2022年4月
設計:1-1 Architects 一級建築士事務所(神谷勇机)
構造:小松宏年構造設計事務所
施工:株式会社川下建設

■経歴
神谷勇机(かみやゆうき)
- 1986
- 愛知県生まれ
- 2009
- 三重大学工学部建築学科卒業
- 2010-2013
- 佐々木勝敏建築設計事務所
- 2014
- 1-1 Architects主宰
- 2014-2016
- ジンバブエ ハラレ技術工科専門学校講師(JICA/JOCV)
1-1 Architects 一級建築士事務所
https://1-1arch.com/