いつでも富士山を感じるように家に住めたら。
昔、富士山に登れない人たちは、富士山を見ながら登ることできる山を開き、その山を登ることで富士山を感じていた。毎日富士山には登れないけれど、富士山を見ながら少しだけこの階段を登ることができたなら、いつでも富士山を感じることができるのではないか。
東西に長く各部屋を配置し、全ての部屋の南北両面に窓を作ることで、盆地特有の暑さ、寒さに耐える建物とした。2階のリビングから富士山を眺められるよう、リビングを2階より半分高めに設定した。2階の2つのレベルのそれぞれの部屋にバルコニーをつくり、それを階段で繋いでいく。さらに上側のバルコニーからは屋上に繋いで行くことで、外の空間をスキップ状に繋いで行く計画とした。ふたつの屋上とふたつのバルコニーには、いろいろな植物を載せて、上の階へと繋がって行く。その階段を登る作業は昔の人が富士山を見ながら登って行くような感覚と似て、常に富士山に対峙しながら行きていく山梨県固有の住まい方であり、引いては日本人の昔からの想いを紡いだ住まい方になると考えた。
基本に忠実に、かつ最小限の操作で空間をつくること。
たくさんある建築にまつわる条件を、あるべき姿に収めていくことがこれからの建築に求められていると考えている。
■建築概要
敷地面積:217.10㎡
延床面積:104.02㎡
家族構成:夫婦2人+子2人
所在地:山梨県甲府市
住宅の構造:木造2階建
構造設計者:ASD 田畠 隆志
工事期間:2017年4月〜2018年3月
設備・メーカー(キッチン、バス、建材など):
[キッチン] sanwa グラッド45
[バス] TOTO ネオエクセレントバス PAS110
[トイレ] TOTO GG1
[外壁] 木毛セメント板+OS
[床、天井、デッキ] 杉
■経歴
安田智紀
- 1982
- 生まれ
- 早稲田大学 理工学部 建築学科卒業(古谷誠章研究室)
慶應義塾大学大学院 開放環境工学科 空間デザイン科学専修修了(妹島和世研究室)
学生時代、バックパッカーで世界50カ国以上を訪問
スイス Müller Sigrist Architekten AG にインターンシップ
suppose design office 勤務 - 2015
- Att トートアーキテクツLAB 設立
- 2017-
- 日本工学院専門学校 非常勤講師
トートアーキテクツラボ/tote architecture LAB
http://www.att-archi.com
〒231-0014
横浜市中区常盤町2-10 シンコービル401