課題文

課題 かわいいガラスブロック

近代以降、ガラスブロックは様々な局面で使われ、モダニズムが新しい空間を形成することに貢献してきた。例えば、オットー・ワグナーによるウィーン郵便貯金局では地下に光をもたらす床面に、ピエール・シャローによるガラスの家では大胆に壁に用いて光のスクリーンを出現させた。一般的にガラスブロックは、省エネルギー、快適性、安全性、メンテナンスフリーなどの機能性にすぐれている。が、一方でガラスブロックは、四角い単位を組み合わせた厚い壁のイメージも定着し、その使い方があまりアップデートされていない。また冷たくて硬いと感じる人もいるかもしれない。そこで21世紀に入り、真壁智治らが注目し、シンポジウムや書籍を通じて、建築界でもよく語られるようになったキーワードのひとつである「かわいい」という形容詞と接続させることによって、なにが出てくるのかわからない、ガラスブロックの刷新をはかろうとするのが、今回の課題である。

「かわいい」と「ガラスブロック」。語感は良いのだけれど、意外な言葉が出会うことで、いったん旧来のガラスブロックをリセットし、デザインの想像力を飛翔できるのではないか。おそらく、形態や色彩といったプロダクトのレベル、組み合わせ方や建築において使う箇所、あるいは建築の用途など、いろいろなバリエーションが考えうるだろう。もっと人々に愛される「かわいいガラスブロック」の建築を提示してほしい。

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