課題 | ガラスがもたらす建築の映像性 近代建築におけるガラスの大胆な導入は、空間に透明性をもたらした。 ガラスという素材が、壁と違い、その向こうが透けて見える性質をもっていたからである。かつて建築史家のコーリン・ロウは、バウハウスの校舎に代表される、こうした効果を「実の(リテラルな)透明性」と呼ぶとともに、「虚の(フェノメナルな)透明性」という概念を提唱した。すなわち、ル・コルビュジエの作品や近代絵画などに見出される複数のレイヤーが重なり合う構成によって、事後的に立ち上がる現象としての透明性である。ガラスは新しい空間をもたらしただけではなく、建築論も刺激し、複雑なデザインの探求をうながした。 これを現代において考えると、どうなるだろうか。その手がかりとして、映像性をテーマとしたい。実際、ガラスはリフレクションの効果によって周辺環境を映しだす動画のスクリーンのようにもなるし、各種のディスプレイにも使われている。これらはロウにならって言えば、リテラルな映像性かもしれないが、現代建築の可能性を拓くものだろう。またさらに発展させて、フェノメナルな映像性という切り口も考えられるかもしれない。その場合、ガラスを単体として考えるのではなく、建築の関係性の中にどう位置づけるか、あるいは透明性がエネルギー負荷をもたらすことを踏まえて、環境的な視点を織り込むことも課題になるだろう。 いみじくも今年は、国連でガラスの歴史と未来を祝福することが定められ、国際ガラス年2022に指定されたが、改めてその素材がもつ様々なポテンシャルが注目されている。こうしたガラスの性質を参照しつつ、このコンペでは、ガラスがもたらす映像性を、インスタレーションやプロダクトではなく、建築の空間として提案してほしい。 |
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審査委員 (敬称略) |
【審査委員長】 【審査委員】 【コーディネーター】 |
賞金 | 総額170万円 |
応募方法 | コンペ公式HPの「応募者登録」ボタンよりご登録ください。 |
作品登録方法 | 「KENCHIKU」会員ページにログインし、「登録済みコンペ・イベント」に表示された「第29回空間デザイン・コンペティション」の「作品登録」ボタンを押して作品を登録してください。
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応募・作品登録締切日 | 2022年10月3日(月) 16:00まで |
発表 | 審査の結果は応募者に通知するとともに、「新建築」2023年1月号にて発表します。 |
質疑 | 課題に関する質疑応答はいたしません。 |
その他 | 応募に際しての注意 応募作品について
賞金について |
主催 | 日本電気硝子株式会社 |
共催 | 電気硝子建材株式会社 |
協賛 | 株式会社 新建築社 |
問合せ | 空間デザイン・コンペティション事務局 |
公式HP |
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