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JSCが新国立競技場の基本設計案を発表。想定工事費は1625億円



  • 国立競技場将来構想有識者会議(安藤忠雄氏:写真中央)

  • 国立競技場将来構想有識者会議

  • 新国立競技場のイメージ(日本スポーツ振興センター提供)

独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は28日、2020年の東京オリンピックに向けて建て替えを予定している新国立競技場の基本設計案を発表した。(5月28日)

これは国立競技場の将来構想を審議する「国立競技場将来構想有識者会議」の中で明らかにされたもので、各委員から基本設計案に対する要望が出されたが、全会一致で了承された。JSCでは、この基本設計案(日建設計+梓設計+日本設計+アラップ設計共同体)をベースに政府はじめ関係団体との協議を重ね、実施設計に向けてスタートしたい意向。
今回の有識者会議は、メディアにも公開され、冒頭5分間だけ撮影が認められたものの会議の内容に対する質疑応答の時間は設けられなかった。

〇委員からは要望が相次ぐ
有識者会議では基本設計案に対する有識者会議メンバーの意見が述べられたが、安藤忠雄氏は「(ザハ案に対して)景観などの問題提起がされている中で、建物の最高高さを当初の75メートルから70メートルに変更するなど周辺環境に配慮した点などが評価される。(工期など)スケジュールが難しくなってきているので、建築するのは大変だが日本の技術であればクリアできるのではないか」と今回の基本設計案を高評価した。
しかし、同じ委員である森喜朗元首相からは「周りの環境との調和がなくデザインに違和感があるという、建築界を中心にして沸き起こっている、ザハ・ハディド案に対する批判や、なぜ改築ではなく新築でなければいけないのか、という問題提起などについて、是非、専門家である安藤忠雄さんから丁寧な説明がしてほしい」という異例の要望があった。
また、陸上連盟の横川浩会長からは「オリンピック後に陸上競技を開くにはサブトラックは必須だが、一向にこの問題の糸口が見えない。サブトラックは仮設ではなく常設にすることを是非お願いしたい」との意見が出された。この問題については、解決の主体がJSC、東京都、オリンピック組織委員会のどこなのかを含め現段階ではまだ方向性が見えていない。
なお、河野一郎JSC理事長より現国立競技場解体工事については、予定通り開始することも発表された。

今回発表された基本設計案では、
1.芝生の養生を考えて南側固定屋根部分に透過性の高い素材を用いている。
2、イベントに合わせて伸縮式可動スタンドを採用。
3.夏季における熱中症対策として観客席エリアを対象とした居住域空調を行う。
4.充実したホスピタリティ施設。
5、施設利用率を高めるため、開閉式遮音装置(屋根)を採用。
6、商業文化施設を充実。
7.スタジアムは免震構造を採用。
8.自然換気利用や雨水利用など環境に配慮。
9.パラリンピック開催に向けてユニバーサルデザインを導入
などをスタジアムの特徴としている。

施設概要データ
敷地面積113,366㎡
延べ床面積210,878㎡
階数地上6階、地下2階
構造は鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造
建物最高高さ70,0m
収容人数(フットボールモード)80,137人、(陸上モード)72,634人。
なお、グラウンド上部の屋根は折り畳み式膜構造の開閉式遮音装置として運用を予定しているため建築基準法の床面積に算入されない。従って機能上の面積より約1万1700㎡の延べ床面積が減少している。素材は屈曲性に富むPVC膜。開閉時間は30分~1時間程度を想定している。