移植の家   仲俣 直紀/東京理科大学大学院  田澤 孝祐/東京理科大学大学院

均質で地域差の少ない住宅地に強固なコンテクストを移植し、それを下敷きとした住宅を建てることで、地域独自の風景が形成されていく。
住宅地は更地を前提として建てられているために、地域差が生まれづらい。敷地を造ることと、家を造ることを結びつけて考えることが重要なのではないだろうか。
僕たちの提案は、一般的に家を建てる際に行う、“土地をならす”という行為とは反対に、水を張る、土を盛る、木を植える、岩を置くといった、“土地に強固なコンテクストを与える”という行為を行った上で家を建てる。与えられる強固なコンテクストは、その地域の文脈の中から選択し、移植される。
そして、敷地に与えられた文脈は人々の生活を豊かにし、住宅よりも長いスパンで街に痕跡として残り続けるだろう。