優秀賞
大きなトビラと都市の庭   髙村 裕太郎/東京藝術大学大学院

現代の住宅。その背景は決して豊かなものとは言えない。住宅が建つ敷地は狭く、隣の家との距離は限りなく近くなり、身近な外部を失った住人は内にこもり、そこで完結した生活を送っている。住人を室内に押し込めてしまった住宅は、貧しい牢獄のような姿だ。
私は周りの住宅や環境までも受け止めるような外部空間を持ち合わせた、住人の気持ちと近所の人々との関係で変化してゆく住宅を考える。
これは住宅が今までよりもほんの少しだけ大きな寛容さを持った器に変わる提案。その器は生活とともに小さな都市の庭を作り出す。