世帯をつなぐ上足空間
現代社会では高齢化及び核家族化により、コミュニケーションの希薄化がおきている。このような状況を象徴する場所が日本各地に点在する木造密集地帯である。住民の半分以上を高齢者が占め、空き地も相当数ある。かつての地縁コミュニティーは震災によって崩壊し、地域自体が孤立した状態となっている。この一般的な木造密集地帯に新たなコミュニティーの場を生み出す。
乖離が進む各住戸をつなぐための上足の空間を提案する。
住戸の内部に押し込められた上足の空間を路地空間へと広げていく。個々の玄関は、広がった上足空間の外へと移る。それによって路地は住民の家の一部でもあると同時に、外部の人を招き入れる客間ともなる。