「使っているとき」と「使っていないとき」:他者との関係を取り結ぶ外皮としての住居
住宅は常に使われている訳ではない。特に遠距離通勤者の場合、一日の約70%は自宅の外で過ごしていることになる。
東京都が行った統計では、現在東京へ通勤している人の数は約278万人とされている。これほど多くの人が一日の大半を自宅外で過ごす現代のライフスタイルの中で、果たして彼らの住宅は自身の身体の延長として、他者との関係を取り結ぶ外皮になり得ているのだろうか。
「使っているとき」と「使っていないとき」―住宅はもっと感情を表現する媒体であるべきだ。私たちはこの計画を通して、「私性―他者」の関係のあり方を提案したい。