入選
あふれだす ふるまい   宮田 真/広島大学大学院

現在、住宅団地は前面道路に開くことにより景観を形成してきた。反対に近隣住戸に対しては、背を向けている。住戸間は暗く窓を開けられることはほとんどない。敷地に対し一方向にしか開かない公-私の図式では、近隣住人との良好なコミュニケーション、自分の趣味や家族との時間においても思うように振る舞うことができない。

そこで本計画では住戸間の隙間に目を向け、断絶するための隙間ではなく、繋ぐための隙間として道を設ける。道は階段状に積むことでできた住戸の屋上に繋がる。屋上は各部屋とつながっており、普段の生活の中に大きな余白を作る。そこは住戸内にあるが、開かれている中間のような領域であり、そこから溢れ出す振る舞いにより、茨木スマートタウンの588戸の様々な価値観を持った住人と新たな関係性を持った住宅群が作られる。