ハイライン23(ニューヨーク)
Design : Neil Denari
設計:ニール・ディナーリ ハイライン公園のスレンダーなイコン |
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今ニューヨークで話題の「ハイライン公園」。そのセクション2がオープンしたが、この部分の公園沿いにそそり立つのが、これまた話題のコンドミニアム「ハイライン23」だ。「ハイライン公園」が、ウエスト・チェルシー地区を活性化したように、ニール・ディナーリの「ハイライン23」もシティスケープのラジカルな変革を目指して完成された。
14階の建物は非常目立つシルエットを見せ、従来の集合住宅にはない構造的なスティール・ブレースを露にしたハイテク仕様。この斬新なアーバン・スタイルは、スティール・フレームとガラス張りファサードの開放性が特徴だ。 スリムな「ハイライン23」は、接地面積は少ないものの、公園の高さを越えたあたりから公園の上部にキャンティレバーでせり出し、上階住戸の住戸面積が拡大するのだ。頭でっかちでスレンダーな形態は、いやが上にも人々の記憶に残る。今やこのエリアのスレンダーなイコン的存在だ。 磨かれたスティール・パネル、ロウアイアン・ガラス、スティール・フレームの3者が織りなすエレガントな建物は、逆さにテーパーする。上階では下階に比べて40%も床面積が拡大。建物はLEEDの金賞をターゲットにして、サステイナブル指向で建設された。 全11戸の住居は、大きさと住みやすさを合わせもっている。フルハイトのロウアイアン・ガラスの窓が、3つの外壁のうちの2つを構成して、明るく開放感がある。中央にあるオープンでロフト的なリビング・スペースは、プライバシーを維持する幾分伝統的・家庭的な空間と一対になっている。 11戸のうち9戸は、各階全域を占有し、残りの2戸はデュープレックス・タイプ。そのひとつは2階と3階に渡るメゾネット・タイプで、高さ5.4mのリビング・スペースと、約65㎡の戸外スペースをもつ豪華さ。 もう一方はペントハウス・デュープレックスで、モダニスト的なガラス・キューブのリビングをもち、特注の大きな引戸が装備されている。それが広さ約100㎡もの周囲を囲まれたプライベート・テラスへと開放することができるのだ。風通しの良いインテリアは、エレガントなモダニストの環境づくりや美学、あるいは伝統的なアーティストの空間における開放性に啓発された。露出した構造エレメントが、これらの素晴らしいインテリアの全体的な彫刻的資質を目立たせている。 意図的に配置された大きな開口部が、ドラマティックなニューヨークのアーバンスケープやハドソン川のヴィスタをフレーミングする。他の開口部はユニークな建築的アングルをフレーミングし、また外部の彫刻的エレメントを視覚的に内部へと引き込む。 インテリアの細部には、慎重に選ばれたディテールが展開されている。縞目を対称的に配したバスルームの上質な大理石。ディネセンの幅広板などをすべての住戸の床材に使用。手造りのナンツのハードウェアなど、こだわりのデザインが随所にある。 ニール・ディナーリは日本ではよく知られた建築家であり、日本人の教え子も多い。彼はLA中心に活躍しているが、日本にも数件の作品がある。「ハイライン23」は彼のニューヨーク・デビュー作。この話題作は、彼のイースト・コースト進出への試金石となる。 |
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