ラロンハ劇場&会議センター(スペイン, レリダ)
Design : mecanoo
設計:メカノー 大地から生え出たフルーツ・トゥリー建築 |
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常に大胆な造形と材料のバラエティに富んだ選択で、建築デザインの地平を切り開いてきたオランダの建築家集団メカノーが、またまた斬新な建築を披露してくれた。 バルセロナにつぐスペイン、カタルーニア地方第2の都市レリダ。敷地は市内を貫流するセグレ川が、街中を少しはずれたあたりの土手にある。敷地のすぐ南側から南東側にかけて川が流れており、メカノーのデザインはまさに風光明媚なこの辺りのランドスケープを解釈したものである。 3層の建物は、このエリアの広々とした大きな都市的スケールの観点から見ると、川と山の間に位置することから、両者のリンク役を果たしている。メカノーは特に建物と川の間に、バランスのとれたコンポジションを形成しているのだ。建物の外壁の特徴である長く突き出した庇(上階のスラブ)は、来館者を強い日差しや冷たい雨から守っている。 建物の構成は、まず駐車場が南西側広場の地下スペースに2層に渡って設けられ、搬入・積荷用のカー・アクセスは北東側の1階レベルに配されている。この1階レベルには、メインとなるシアターのステージがあり、車で到着した大道具などがそのままバック・ステージに運びやすくなっている。また楽屋やレストランも同じ階に配されている。 建物平面上のほぼ中心部に、吹抜けたライト・コート(光庭)がある。トップライトから降り注ぐ光の中をモニュメンタルな階段がストリート・レベルから2階のシアター・ホールへと続く。また空中スロープがこの空間の中を飛んで、3階のホワイエに通じている。ここからはレリダ市街の都市景観やセグレ川へのパノラミックなヴィスタをエンジョイできる。 またこの広くカラフルなホワイエには、シアター・ホール(会議ホールにも兼用できる)への入口をはじめ、小会議室やミーティング・ルームなどがある。またプレス・オフィスやVIPルームなどは都市側に配され、内部階段によりアクセスできる。 レリダは果実の生産で有名であり、広さ37,500㎡の建物の随所に果物をテーマにしたデザインが施されている。シアター・ホールの壁面には“光の木”がデザインされ、さながら果樹園の雰囲気を出している。また3階ホワイエのカラフルな壁面には果物の色をモチーフにしている。さらに屋上には樹木の茂る庭園ができ、大地から生え出したフォルムの建物は、“フルーツ・トゥリー”建築と言えそうだ。 |
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